研究課題/領域番号 |
11671891
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
宇野 滋 北海道大学, 歯学部附属病院, 講師 (00168733)
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研究分担者 |
野田 守 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (10301889)
田中 享 (田中 亨) 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (90179771)
佐野 英彦 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (90205998)
菅野 富夫 矢内原研究所, 主任研究者 (50009982)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1999年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 歯科診療 / 唾液中クロモグラニンA / 精神性ストレス / 唾液分泌 / α-アドレナリン作動性機構 / α-アドレナリン作動性受容体 / β-アドレナリン作動性機構 / β-アドレナリン作動性受容体 / 歯科治療 / 唾液 / クロモグラニン / 環境ホルモン |
研究概要 |
ストレス反応初期相の遠心路である交感神経・副腎髄質系の伝達物質であるカテコールアミンと共存・共放出されるクロモグラニンA(CgA)に関して、唾液中での測定系を確立するとともに、その分泌挙動とストレスととの関わりを検討しようとした。 研究の一環としてCgAのエンザイムイムノアッセイ測定キットを開発・完成した(矢内原研究所・菅野)。このキットを用い、摘出ラット顎下腺血管還流標本を刺激した際に導管へ分泌される唾液中のCgAの動態を検討した。(1)α-アドレナリン作動性アゴニストであるフェニレフリンで刺激した場合、唾液分泌反応は還流液中のCaCl_2を除いても有意な抑制を示さなかった。(2)細胞内Ca貯蔵部位からのCa^<+2>細胞質内遊離を抑制する2-APBにより唾液分泌反応が完全に抑制された。以上より、α-アドレナリン作動性の唾液分泌反応はCa^<+2>の細胞内流入に依存せず、α-アドレナリン作動機構が抑制を受けると停止することがわかった。一方、β-アドレナリン作動性アゴニストイソプロテノールによる刺激では、Ca^<+2>欠乏状態において分泌反応が変化せず、また2-APBにより著しく分泌反応が遅延したが2-APBを取り除くと回復したころから、β-アドレナリン作動性機構にも2-APBが抑制的に作用することが示された。したがって、唾液中CgA分泌を測定することにより、特にα-アドレナリン作動性の活動状態をモニターできること、そしてその細胞内分泌機構が明らかになった。 ヒト唾液中のCgAの動態は、健常者6名を被験者として検討された(北海道大学歯学部)。歯石除去などの歯科処置の、術前から処置終了時までの定期的に全唾液を採取し、上述キットを用いてCgAを測定した。唾液中CgAは、平均6.53pmol/mg proteinであり、ラット顎下腺唾液中の10倍以上の値であった。各被験者において治療経過とともにCgA量の多少の変動が生じたが、血圧、脈数、ストレス度(平常時を0として最高5点の自己評価法)との明らかな相関は見出されなかった。
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