研究課題/領域番号 |
11671897
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
中西 正 徳島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (00217770)
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研究分担者 |
菅 俊行 徳島大学, 歯学部, 助手 (60243713)
中江 英明 徳島大学, 歯学部, 助教授 (30227730)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1999年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | う蝕関連細菌 / 歯髄炎 / 免疫染色 / マクロファージ / 線維芽細胞 / cyclooxygenase-2 / MCP-1 / MMP-1 / シクロオキシゲナーゼ-2 |
研究概要 |
本研究では、不可逆性歯髄炎の病態成立における歯髄組織破壊機構を解明することを目的とし、露髄部の細菌-宿主反応に焦点をあて、細菌侵襲の実態や歯髄組織の変化について免疫組織学的に検索した。まず、歯髄に近接あるいは到達するう蝕を有し、臨床的に抜歯適応と診断された抜去智歯のうち、Brown-Brenn染色にて修復象牙質あるいは歯髄組織内へ細菌の侵入が認められた14試料を被験対象として、6種のう蝕関連細菌に対する抗血清を用いた免疫染色にて侵入細菌の同定およびその局在を検索した。その結果、今回検索したすべての試料中の修復象牙質内にLactobacillus plantarumが認められた。Streptococcus mutans,Peptostreptococcus micros,Lactobacillus caseiについても修復象牙質内での細菌検出率は90%以上であった。これら4種の細菌種は細菌が歯髄腔に到達している試料の歯髄組織内においても検出された。歯髄側においては、ケモカインの一つであるMCP-1、マトリックス分解酵素のうちMMP-1、プロスタグランディン産生のkey enzymeとされているcyclooxygenase-2(COX-2)に着目し、その発現について検索した。MCP-1,MMP-1については、細菌侵入部に近接したマクロファージに主にその発現が認められたほか、血管内皮細胞の一部にも発現が認められた。COX-2は、炎症細胞が集積しているところでは主にマクロファージにその発現が認められ、集積部の周辺ではマクロファージよりもむしろ線維芽細胞にその発現が認められた。さらに、、露髄部付近に高頻度に検出された細菌のうちS.mutansを用いてヒト培養歯髄線維芽細胞を刺激し、COX-2発現に対する影響を調べたところ、その発現がmRNAレベルで増強された。これらの結果より、炎症細胞の浸潤・集積から組織破壊に至る不可逆性歯髄炎の病態形成にマクロファージが大きく関与し、歯髄線維芽細胞もその病態を修飾している可能性が示唆された。
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