研究課題/領域番号 |
11671899
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
松下 健二 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (90253898)
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研究分担者 |
迫田 義徳 鹿児島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (10235236)
高田 春比古 東北大学, 歯学部, 教授 (30135743)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1999年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 歯根膜細胞 / ストレッチ / CD14 / ストレッチ負荷応答配列 / NF-κβ / 炎症性サイトカイン / LPS / 咬合性外傷 / 歯周炎 / メカニカルストレス / 増殖因子 |
研究概要 |
[研究目的]咬合性外傷は、歯周炎を増悪する重要な因子の一つであり、歯根膜や歯槽骨まで波及している歯周炎とこの咬合性外傷が合併した場合には歯周組織の急速な破壊がみられる。このような歯周炎と咬合性外傷の共同作用で起こる歯周組織の破壊には、過剰な咬合圧負荷(メカニカルストレス)および歯周病原菌の刺激に対する歯根膜組織の過剰応答が深くかかわっていると考えられるが、そのメカニズムについては不明な点が多い。本研究では、ストレッチ負荷が歯根膜細胞に与える影響について、炎症性サイトカインの発現動態を指標にしてin vitroで調べた。ついで、ストレッチ負荷とリポ多糖(LPS)共刺激によるこれらの発現の修飾についても検討した。さらに、歯根膜細胞にかかるメカニカルストレスの細胞内情報伝達物質、特にストレッチ負荷によって特異的に誘導または活性化される因子で同定・解析するために、本年度はストレッチ負荷ヒト歯根膜細胞において誘導されるCD14分子の動態の解析とこの時同時に活性化される転写因子およびその結合部位の同定をこころみた。 [研究結果] 1.培養歯根膜細胞に間歇的なストレッチを負荷すると.IL-6.IL-8.G-CSF.M-CSF.VEGFの産生が誘導された.2.ストレッチ負荷歯根膜細胞をさらにP.intermedia LPSで刺激すると.同細胞からのIL-1aの発現が認められるようになった.また.IL-6.IL-8.およびVEGFの産生は、このストレッチ・P.intermedia LPS共刺激によって増強された.一方.M-CSFの産生は.ストレッチ・P.intermedia LPS共刺激によって減少した.3.ストレッチ負荷によってCD14分子の発現が、タンパクおよびmRNAレベルで増強された。4.CD14遺伝子転写開始点の上流域(-1.873〜-1878)にストレッチ負荷によって転写因子が結合する領域(GAGACC)が存在することが明らかになった。5.ゲルシフトアッセイの結果、4.の領域に結合する転写因子はNF-κβであることが明らかになった。 以上のことから.過剰な咬合力が歯根膜に加わると.歯根膜細胞におけるCD14の発現が増強され.歯周病関連菌のLPSへの同細胞の感受性が高まり.炎症性サイトカインの発現の増大がおこることによって.歯周組織の急速な破壊が促される可能性が示唆された.
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