研究概要 |
平成11年度は、8種市販コンポジットレジン(Clearfil AP-X, Estelite, Estio LC, Litefil IIA, Prodigy, Progress, Silux Plus, Z-100)を0.5M EDTA水溶液、35% glycerylmono-methacrylate水溶液、Clearfil Photo Bondからなる試作コントラクシヨンギャップフリーポンディングシステムで処理した象牙質円柱窩洞内に填塞硬化させた場合の窩洞辺縁適合性をコントラクションギャップ幅の計測によって評価した。この結果、Clearfil AP-X, Silux Plus, Esteliteの3種コンポジットレジンではすべての試片で完全な窩洞辺緑適合性の獲得を確認し、得られたコントラクションギャップ計測値が引っ張り接着強さおよび、直接引っ張り強さや曲げ強さなど重合硬化後のコンポジットレジンの機械的性能とはまったく相関性を示さないことを明らかにした。平成12年度は、回転式粘度計VT550に装着したコーンプレートセンサーのプレート温度を37℃に設定して初期最大ずり応力と後期平衡ずり応力を計測し、これら8種市販コンポジットレジンのシキソトロピー指数(Thixotropy Index)を算出した。この結果、プレートのずり速度10.68s^<-1>で得られた8種コンポジットのシキソトロピー指数が、ギャップ計測値と有意な2次相関関係(r2=0.822)を示すことが確認された。平成13年度は、高出力なHAAKE RS75を用いて、プレート温度37℃で降伏応力および流動履歴曲線を計測した。結果、降伏値はギャップ計測値と有意な1次相関関係(r2=0.757)にあり、流動履歴曲線から求められた粘稠性指数もまた、ギャップ計測値およびシキソトロピー指数のいずれとも有意な相関関係(r2=0.749,r2=0.659)にあった。
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