研究課題/領域番号 |
11671911
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
橋本 修一 日本歯科大学, 歯学部, 助教授 (50050688)
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研究分担者 |
戸円 智幸 日本歯科大学, 歯学部, 助手 (10207532)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | アルカリ性ホスファターゼ / MC3T3-E1細胞 / 歯髄細胞 / 電気泳動 / クロマトグラフィ / 精製 / 分子種 / GPI-アンカー型蛋白質 |
研究概要 |
グリシン緩衝液を用いた非還元型ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)後のゲル内アルカリ性ホスファターゼ(ALP)活性を高感度に検出するため、グリシン緩衝液の影響を活性染色で調べた。グリシンを用いた電気泳動を行うと、ゲル内ALP活性は、ホウ酸を用いた場合の半分に減少した。しかし、グリシンにZn^<2+>を事前添加すると、電気泳動後の酵素活性は亜鉛の濃度に依存して増加し、0.1mMで最大となり、ホウ酸緩衝液を用いた場合と同等かそれ以上になった。 マウス骨芽細胞様細胞株(MC3T3-E1)およびラット歯髄組織から抽出したALPを0.1%Nonidet P-40を用いたnative-PAGEあるいはラウリル硫酸ナトリウムを用いた非還元のSDS-PAGEにかけると、酵素はnative-PAGEのゲル中ではALP-N1とALP-N2に、SDS-PAGEのゲル中では130kと155kの2つに分かれた。ALP-N1とN2は、二次元電気泳動上で130と155kにそれぞれ一致した。粗抽出ALPを単に37℃で加温すると、ALP-N1(130k)はALP-N2(155k)に変化した。このALPの変化はALP結合性蛋白質によるのではなく、ALPの抽出分画中のグリコシルホスファチジルイノシトール特異的ホスホリパーゼD(GPI-PLD)によって特異的に生じることが明らかになった。 ALPの精製は、n-ブタノールで抽出後、DEAE-Sepharose CL-6B、Concanavalin A-Sepharose、Sephacryl S-300HRおよびL-Histidyldiazobenzylphosphonic Acid Agaroseを用いて行った。精製したALP-N1はN2と同一の等電点(4.3)と、ALP-N2抗体に対し同程度の結合親和性を有していた。これに対して、脂肪酸(C_<14>-C_<18>)はALP-N1中にのみガスクロマトグラフィで検出され、ALP-N2には脂肪酸は認められなかった。ALP-N1に結合したSDS量は、脂肪酸のないALP-N2に比べて有意に多かった。これらの結果は、SDS-PAGEの泳動ゲル中をALP-N1(130k)がALP-N2(155k)より速く移動することを示唆している。 本研究結果から、MC3T3-E1およびラット歯髄組織のALPは分子量77kのホモダイマーであり、ALPを抽出する時、GPI-PLDにより脂肪酸を有するものと消失したものの2種類の酵素分子が生じることを明らかにした。
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