研究課題/領域番号 |
11671943
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
遠藤 一彦 北海道医療大学, 歯学部, 助教授 (70168821)
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研究分担者 |
大野 弘機 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (70018430)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2001年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 金銀パラジウム合金 / 耐食性 / 不動態 / 金属アレルギー / 鋳造性 / ビッカース硬さ / 腐食 / 硫化変色 / 動電位分極法 / X線光電子分光法 / 交流インピーダンス法 / 原子吸光法 |
研究概要 |
本研究では、金銀パラジウム合金の耐食性に及ぼす成分・組成の影響を詳細に調べ、金属アレルギー防止の観点から、高い耐食性を有し、生体安全性に優れた金銀パラジウム合金の組成を見い出すことを目的とした。実験には、組成の異なる18種類の金銀パラジウム合金を作製して用いた。生理食塩水ならびに0.1%硫化ナトリウム溶液中での腐食挙動を電気化学的手法を用いて調べるとともに、溶出した金属イオン量(Ag、 Pd、 Cu、 Au)をグラファイト炉原子吸光法で定量した。 金銀パラジウム合金の耐食性はPdの含有量に大きく依存し、Pd含有量の増加にしたがって耐食性は向上した。Pdを45mass%含有したPd-25Ag-18Cu-12Au合金は、0.1%硫化ナトリウム溶液中で表面にPd-richな硫化物皮膜を形成し、不動態化することによって腐食・変色しないことが明らかとなった。また、生理食塩水中に自然浸潰したPd-25Ag-18Cu-12Au合金から溶出する金属イオン量は、市販の金銀パラジウム合金(Ag-20Pd-20Cu-12Au合金)と比較して、約1/10に減少することが分かった。Pd-25Ag-18Cu-12Au合金に微量のGa(1〜5%)を添加することによって、液相点を低下させ、鋳造性を向上させることができた。また、ビッカース硬さの値はGa無添加の合金で170であり、Gaの添加量の増大とともに増大した。Ga添加量5%の合金では、ビッカース硬さは350に達した。5%のGa添加は、本合金の耐食性に影響しなかった。 Pdを45%含有する合金は、市販されている金銀パラジウム合金と比較して金属イオンの溶出量が極めて微量であり、さらに硫化変色もしない。また、鋳造性や機械的性質は、Gaを微量添加することによって耐食性を低下させることなく向上させることができる。したがって本合金は、アレルギー性を低減化した高耐食性歯科用鋳造用合金として、極めて優れていることが明らかとなった。
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