研究課題/領域番号 |
11671960
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
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研究機関 | 神奈川歯科大学 |
研究代表者 |
西山 勝弘 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (20084783)
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研究分担者 |
小野塚 実 岐阜大学, 医学部, 講師 (90084780)
小園 知 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (40084785)
熊田 秀文 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (60120995)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 加齢 / 咀嚼 / ラット / ヒト / 脳 / 海馬 / (1)咀嚼 / (2)マウス / (3)脳 / (4)海馬 / (5)細胞 / (6)神経 / (7)痴呆 / (8)記憶 |
研究概要 |
近年、食生活の欧米化が進み、顎骨の発育不全、特に下顎骨の綾小化の結果として乱杭歯の症例が増加している。また、咀噛運動は老齢期の脳の活性化と維持に極めて重要であることが強く示唆された。本研究では、老化促進マウス(senescence-accelerated mouse ; SAM)を選定し、記憶形成に重要な海馬ニューロンの機能に対して咀嚼運動の減退とその後の咀嚼機能の修復がどのように影響される脳内機構を遺伝子レベルで解析し、老齢期の脳内機構に及ぼす咀嚼の役割を明らかにすることを目的とした。 水迷路テスト学習させた老齢マウスに、同一条件で短時間の水迷路テストを行い、この時に産生されるFosの量的変化を免疫組織化学的に調べた結果、海馬の神経細胞にFosが産生されることがはつきりと認めら、molarlessマウスのCA1領域での産生が少なくなっている。若齢マウスの例ではControlとの差は殆どみられんかった。海馬の各部位のFos陽性細胞を比較してみたら、老齢マウスで、CA1領域のFos産生がcontrolを比較して弱く、また、陽性細胞数が減少していた。若齢マウスでは、いずれの部位でもmolarlessの影響は認められません。Fos陽性細胞はmolarlessの期間に比例して減少しますが、1週間後、ヒトに換算すると約1年に相当しますが、この間でも明らかな有意差が認められた。すなわち、高齢期に咀嚼機能が衰えると、記憶するときに海馬に入る情報量が少なくなることが証明された。海馬の萎縮はまぎれもなく神経細胞死の結果産物ですので、海馬の細胞をニッスル染色し、海馬体各部でその数をcontrol群とmolarless群で比較したら、海馬のCA1とCA3領域、特にCA1領域では、controlでも加齢に伴い神経細胞が減少した。これはmolarless処置によって増強されるようになった。約1週間後から有意に細胞数の減少が見られるようになり、その期間に相応して減少がひどくなっていた。したがって、高齢期に咀嚼機能が脱落すると海馬の神経細胞死が進むことが明らかとなり、咀嚼機能を減退させることによつて、海馬体のc-fos発現が著しく減少され、咀嚼運動が海馬機能の維持に重要な役割を果たしていることが考えられる。もう一つは、外部刺激や学習によって入力を受けた神経細胞ではc-fosが核内に発現し、神経活動のマーカーとして用いられているので,咀嚼という末梢からの感覚入力によって海馬体の神経活動が維持できることが判明した。
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