研究課題/領域番号 |
11672011
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
柴原 孝彦 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (50178919)
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研究分担者 |
丹沢 秀樹 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (50236775)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2001年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1999年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 第21番染色体 / ヘテロ接合性消失(LOH) / 遺伝子不安定性(MI) / 第21染色体 |
研究概要 |
様々なヒト癌において、第21番染色体長腕上(21q)でのヘテロ接合性の消失(LOH)および遺伝子不安定性(MSI)といった対立遺伝子不均衡が高頻度に認められることが示されてきた。本研究は、口腔扁平上皮癌(SCC)と関連する癌抑制遺伝子座位を21q上に特定することを目的とした。第21番染色体の遺伝子変異を詳細に解明するため、本染色体における10の遺伝子座位に対応するマイクロサテライト多型についてPCR(polymerase chain reaction)を用いて検討した。腫瘍原発組織40検体、対応する正常組織40検体、リンパ節転移組織7検体を用いて検討した。我々は、本領域に口腔扁平上皮癌原発巣に特異的な新規癌抑制遺伝子座位を同定した。口腔扁平上皮癌の発生における21qの欠失の役割をさらに明らかにするため、40例の口腔扁平上皮癌について10個のマイクロサテライト・マーカーを用いて対立遺伝子不均衡(LOHあるいはMSI)について検討した。40例に対して検討を行ない、26例(65%)から少なくとも1カ所以上の遺伝子座位においてLOHが検出された。これら40例の欠失地図から、21q上に4カ所の異なった共通欠失領域が同定された。さらに、40症例中17例(42.5%)においてMSIが認められた。得られた結果を臨床病理学的特徴と比較した。21q上でLOHを示す多くの領域が初期癌において検出された。Stageが進行するにつれてLOHの頻度が高い傾向を示したが、統計的有意差は認められなかった。この結果より21q上の対立遺伝子不均衡が口腔扁平上皮癌の発生に関与する可能性があり、本疾患の病因に関与する未知癌抑制遺伝子が少なくとも4種類、21q上に存在することが強く示唆される。さらに、再発例が非再発例よりLOHが高頻度に認められたことより、21q上における対立遺伝子不均衡の検索は、口腔扁平上皮癌の悪性度ならびに予後を評価するための有用な指標になると思われる。
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