研究分担者 |
山本 龍生 岡山大学, 歯学部・附属病院, 講師 (20252984)
森田 学 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (40157904)
渡邊 達夫 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20034176)
多田 徹 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (80304319)
堀内 正純 岡山大学, 歯学部, 助手 (70314698)
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研究概要 |
ブラッシングに対する機械的刺激の効果を観察し,ブラッシング力とブラッシング頻度を検討した。 コラーゲン検索方法の確立(平成11年度):イヌと交差のある市販の抗procollagen type I C-peptide抗体(宝酒造,京都)を用いて免疫染色を行うこととした。 ブラッシング力の決定(平成12年度):100,200,250gfのブラッシング力で20秒間ブラッシングを行った結果200gf,20秒間でブラッシングした群で上皮基底細胞および線維芽細胞の細胞増殖能,コラーゲン産生能が歯垢除去群に対して最も亢進していた。 ブラッシング頻度の違いによる歯肉の細胞応答の変化(平成13年度:)2日1回,1日1回,1日2回の間隔で200gf,20秒間ブラッシングを行った。その結果,ブラッシング頻度が1日1回,1日2回では,線維芽細胞の増殖能の亢進は,4週目から歯垢除去群より有意にみられた。一方、2日1回ブラッシングは,12週目で対照群よりも有意に高くなった。上皮基底細胞の増殖能についても同じ傾向を認めた。コラーゲン合成能の亢進は,ブラッシング頻度の多さに従って大きくなり,いずれのブラッシング群も8週目にピークがみられた。 上皮基底細胞の増殖,線維芽細胞の増殖,コラーゲン産生能は組織の修復過程にみられる現象である。歯周病の予防や治療において歯肉に対する適切なブラッシング力で機械的刺激を与えることにより,組織修復が行われることが示唆された。 ブラッシングの頻度の違いにより歯肉組織の修復の速さが違うことが示唆された。また,ブラッシング頻度が多いほど早くその効果が現れることがわかった。そして,歯周組織の修復には,1回1日のブラッシング頻度で十分であることが推論できた。
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