研究課題/領域番号 |
11672047
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
矯正・小児・社会系歯学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
谷本 裕子 (2000) 岡山大学, 歯学部, 助手 (20190754)
中村 真理子 (1999) 岡山大学, 歯学部, 助手 (90284067)
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研究分担者 |
宮脇 正一 岡山大学, 歯学部・附属病院, 講師 (80295807)
山本 照子 岡山大学, 歯学部, 教授 (00127250)
谷本 裕子 岡山大学, 歯学部, 助手 (20190754)
野口 晴弘 奈良県立医科大学, 口腔外科学講座, 助手 (80311801)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | 頭部X線規格写真 / 顔面写真 / 口腔内写真 / 口腔模型 / 顎・顔面形態 / 成熟・退化 / 顎・顔面の成熟・退化 |
研究概要 |
申請者らは岡山大学歯学部6年次学生の頭部X線規格写真、顔面写真、口腔内写真ならびに口腔模型を、昭和61年卒業の第1期卒業生より平成12年度卒業の第15期卒業生まで所蔵している。そこで卒後10年以上経過後の咬合ならびに側貌の変化を調べることを目的として、現在の状態の頭部X線規格写真、顔面写真、口腔内写真ならびに口腔模型の採得を行った。 本研究の遂行にあたりまず、岡山大学歯学部の倫理委員会にて本研究実施の認定を受けた。昭和61年卒業の第1期卒業生より平成10年卒業の13期生までの口腔模型を調査し、不正咬合の分類を行った。その中で、正常咬合、反対咬合、上顎前突、過蓋咬合を選択し、卒後10年以上経過した卒業生に対し、本研究の目的、実施要領を記載した書簡を郵送した後、個別に十分説明を行い、同意が得られた歯科矯正治療の既往のない卒業生に対して、6年時に採得したのと同様の資料採得を行った。追跡率は38.5%であった。 正常咬合、反対咬合、上顎前突、過蓋咬合者の学生時と卒後10年経過時の頭部X線規格写真についてトレースを行い、セファロ写真解析ソフトウェアを用いて、ノースウェスタン法、ツィード法、リケッツ法などの顎顔面硬組織ならびに軟組織の形態分析を行った。頭部X線規格写真のトレースについては、はじめにその手技に熟練した矯正歯科医3名が、まず担当者の個人内および担当者間の変動が統計学的に問題がなくなるレベルまでキャリブレーションを行い、その後にトレースを一定期間内に行い、コンピュータ入力は担当者の中の1名が一定期間内に行った。 学生時と卒後10年以上経過時の口腔模型については、大臼歯関係、オーバージェット、オーバーバイト、歯槽基底弓幅径、歯槽基底弓長径、イレギュラリティーインデックスを測定した。口腔模型の計測についても同様にキャリブレーションを行った後に、その手技に熟練した矯正歯科医3名が一定期間内に計測を行った。 頭部X線規格写真を用いて、正常咬合、反対咬合、上顎前突、過蓋咬合の不正咬合別に各年齢時のプロフィログラムを作成した。これにより、顎・顔面・頭蓋の形態と大きさを同時に把握し、また同一座標上に重ね合わせることにより、成熟・退化に伴う変化を不正咬合別に理解できるようになった。また各年齢間における各計測項目の平均値、標準偏差、最小値、最大値を求め、統計学的に、顎・顔面の成熟・退化に伴う年齢的推移の検討を行った。さらに各個人内の変化も調べ、個体差の検討も行った。 その結果、成長が既に完了したと思われる青年期から壮年期にかけての歯科矯正治療の既往のない成人において、正常咬合者、各種不正咬合者ともに、顎顔面形態および咬合の変化が認められた。このことより、保定後の定期的な管理の必要性、ならびに不正咬合の種類による変化様相を想定した保定管理の必要性が示唆された。
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