研究課題/領域番号 |
11672057
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
矯正・小児・社会系歯学
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
山中 すみへ 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (40085840)
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研究分担者 |
野村 登志夫 東京歯科大学, 歯学部, ポストドクトラルフェロー
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1999年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 歯科用金属 / アレルギー / 感作性試験 / パッチテスト / リンパ球刺激試験 / Mouse Ear Swelling Test / γ-インターフェロン / インターロイキン-2 / アレルギー発現 / スクリーニング検査 / 感作性 |
研究概要 |
歯科用金属によるアレルギーの発現は、臨床的症例が多いことから作用機作の解明とともに、そのスクリーニング法が求められている。そこで水銀などの歯科用金属の感作性をマウスの代替法で評価するとともに、ヒトにおけるアレルギー発現をスクリーニングするためのパッチテストやリンパ球刺激試験、機能検査を行い、以下の結論を得た。(1)マウスを用いた感作性試験のMEST(Mouse Ear Swelling Test)法で水銀やニッケルの感作性を調べたところ、水銀は軽度な腫脹を示す濃度で感作された場合には、症状が発現したが、低濃度の繰り返し感作や炎症を起こす高濃度の感作では、症状は現れなかった。したがって水銀などは感作し易い金属ではあるが、免疫寛容も引き起こし易いことを示した。(2)パッチテストの陽性者・陰性者についてリンパ球刺激試験を行ったところ、クロムやコバルト、金、チタンでは陽性者のみで高値となり、スクリーニング法としての有用性を示した。しかし水銀とニッケルでは、すべての被験者で陽性となり、免疫寛容によるリンパ球の反応でも刺激指数が高くなり、寛容による抑制と症状の発現を判別できなかった。(3)金属との反応後のリンパ球表面のCD4^+(ヘルパーT細胞)やCD8^+(サプレッサーT細胞)など機能を調べた。水銀やニッケルによるin vitro刺激で、CD4^+やCD8^+の変化は少なかったが、T細胞表面インターロイキン-2(IL-2)レセプターの発現や培養液中IL-2活性、γ-インターフェロン(γ-IFN)活性は明らかに上昇し、とくにアレルギー発症者で高くなった。これらのことから、IL-2レセプターの発現やγ-IFN活性などのリンパ球機能検査により、免疫寛容の状態を判別して、アレルギー発現をスクリーニングできる可能性が示された。
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