研究概要 |
咬合変化が姿勢調節,とくに頭部動揺に対しどのように影響するかを検討する目的で,成人10名(平均年齢27歳1ヵ月)とHellmanのIIA期の小児10名(平均年齢4歳7ヵ月)を被験者に菊池の下顎運動6自由度測定装置を改良した3次元頭位測定装置を用いて頭部動揺を測定した。咬合変化は,安静位および被験者の口腔内にスプリントを装着することにより設定した両側咬合,片側咬合の3種の下顎位を設け,各下顎位の頭部動揺を立位・座位のそれぞれにて測定した。その結果,以下の結論を得た。 1.立位において,成人群では,安静位に比べ両側咬合の頭部動揺は,有意に減少し,片側咬合で有意に増大した。小児群では,安静位に比べ両側咬合および片側咬合のいずれも頭部動揺は,有意に減少し,両側咬合と片側咬合の間には有意差は認められなかった。 2.座位において,成人群では,安静位と両側咬合間での頭部動揺は,有意差は認められず両側咬合で減少する傾向が示されたが,片側咬合では有意に増大した。小児群では,各下顎位とも有意差は認められなかった。 3.小児群の頭部動揺は,いずれの下顎位でも,成人群に比べ,立位・座位ともに有意に大きかった
|