研究概要 |
静脈穿刺時の疼痛軽減のため、リドカインイテープやイオントフォレーシスなどが応用されているが、皮膚内にどれだけのリドカインが通過するのかは明らかにされていない。そこでこのリドカインの経皮的透過量についてin vitorで検討した。方法としては60ml入りシャーレの底面に陰極を置き、このシャーレの上に除毛した豚皮を置き、シャーレ内を電解質液で満たした。陽極はシリコン枠(内容量5cm×3cm×0.25cm)の枠内埋め込み、枠内に綿花を置き、10%リドカイン3mlを満たし、豚皮表面に固定した。イオントフォレーシスは9V、3mA、10分間及び27V、10mA、10分間の直流通電を行った。その後、枠を除去し、経時的に84時間後までシャーレ内の電解質液を抽出し、リドカイン量を蛍光偏免疫去を用いて測定した。対照としては60%リドカインテープを豚皮表面に2時間貼付した後に、テープを除去し、以下同様に経時的にリドカインの濃度測定を行った。 結果84時間後のシャ-レ内のリドカインの皮膚透過量は、27V、10mA、10分間では、3.9±0.3mg9V、3mA、10分間では1.9±0,3mgとなった。対照のリドカインテープは0,4±0,2mgの透過量となり、臨床て測いられる9V、3mA、10分間のイオントフォレーシスでもリドカインテープの5倍の透過量となった。
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