研究課題/領域番号 |
11672114
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
化学系薬学
|
研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
梶本 哲也 東京農工大学, 工学部, 助教授 (80185777)
|
研究分担者 |
三浦 剛 昭和大学, 薬学部, 助手 (40297023)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
|
キーワード | ブタ肝臓 / 超急性拒絶反応 / Gal_α(1,3)Gal / mycestericin D / β-ヒドロキン-α-L-アミノ酸 / α1,3-ガラクトース転移酵素 / UDP-ガラクトース / 阻害剤 / Galα(1,3)Gal糖鎖 / β-ヒドロキシ-α-L-アミノ酸 / N-アセチルガラクトサミニダーゼ / 肝臓移植 / セラミド類似体 / D-スレオニンアルドラーゼ / galactosyl α(1-3)galactose / α-D-ガラクトシダーゼ阻害 / 1,4-dideoxy-1,4-imino-D-lyxitol / L-スレオニンアルドラーゼ |
研究概要 |
ブタ肝臓をヒトに移植する上で最も問題となる超急性拒絶反応は、ブタ肝細胞のGalα(1,3)Gal糖鎖抗原とレシピエントの抗体との過剰免疫応答により発症する。そこでこれを回避する新医療素材の開発を目標に、「冬虫夏草」から単離されたセラミド系免疫抑制剤mycestericin D, Fの合成と、上記糖鎖抗原を生合成するα1,3-ガラクトース転移酵素に対する阻害剤の合成を行なった。 まず、mycestericinの合成においては、γ-ベンジルオキシブタナールとグリシンとをL-スレオニンアルドラーゼの触媒作用を利用してβ-ヒドロキシ-α-L-アミノ酸を調製し、本アミノ酸のメチルエステルをメチルベンズイミデートと反応させ、オキサゾリン化合物へと誘導した後、これにDBU/ホルムアルデヒドを反応させてα-位にC-1ユニットを導入した。最後に側鎖ベンジルエーテルをアルデヒド基に変換し、続いてWittig反応と脱保護を行って10工程で全合成を達成した。 次に、α1,3-ガラクトース転移酵素の阻害剤の合成においては、基質であるUDP-ガラクトースの類似体を阻害剤として設計した。L-スレオニンアルドラーゼを利用してウラシル(U)を側鎖に持つβ-ヒドロキシ-α-アミノ酸を調製し、本アミノ酸のベンジルエステルと2-(1-O-α-ガラクトシル)ヒドロキシ酢酸とをDCC/HOBtで縮合させ、続く脱保護によりペプチド様UDP-ガラクトースの合成に成功した。 以上、著者らが開発したL-スレオニンアルドラーゼによる酵素的アルドール縮合を利用して「ブタからの肝臓移植を可能にする薬物およびそのリード化合物」の簡易合成に成功した。
|