研究概要 |
Nikkomycin Bzはγ-ヒドロキシ-β-置換-α-アミノ酸をN-末端アミノ酸に持ち、ヌクレオシドアミノ酸をC-末端アミノ酸として持つジペプチド型抗生物質である。 1)エステル交換により系内で発生させた、窒素原子上に糖由来の不斉素子を有するα-アリルオキシカルボニルニトロンの分子内1,3-双極子付加反応を開発し、この反応を用いてμ-末端アミノ酸部分の合成を行った。 2)幾何構造を(E)-型に固定したα-アルコキシカルボニルニトロンである(5S)-5,6-dihydro-5-phen-yl-2H-1,4-oxazin-2-one N-oxideを開発し、これを用いてC-末端アミノ酸の炭素環誘導体であるcarbocycilc polyoxin Cの鍵中間体の合成を行った。 3)糖を不斉素子として有するα-アルコキシメチルニトロンへの2-シロキシフランの立体選択的付加反応を開発し、C-末端アミノ酸であるpolyoxin Cの鍵中間体を合成した。 4)更に上述の反応を用いて多官能性のβ-置換-α-アミノ酸の2,3-syn体および2,3-antiの合成を行った。 5)また、(5S)-5,6-dihydro-5-Phenyl-2H-1,4-oxazin-2-one N-oxideアリルアルコールとのMgBr-2存在下における高立体選択的な環化付加反応を開発し、抗生物質clavalanineの合成に応用した。
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