研究概要 |
光延反応に利用されている従来の試薬(DEAD-Ph_3P)では,反応しない,あるいは反応しにくいとされていた各種求核種を活性化できる新試薬を開発した.その結果を列挙する. 1.新試薬としてアゾジカルボキサミド類ADDP,TMAD,DHTDを開発し,トリブチルホスフィンとの組み合わせが有効なことを見いだした.またWittig試薬と考えられる安定型ホスホランCMBP,CMMPが光延型反応に利用できることを発見した. 2.CMBP,CMMPの合成法を確立するとともに,それらの特性を正確に評価した.その結果,pK_a値が23程度の求核剤も反応することを見いだした. 3.新試薬を用いて,従来試薬では不可能だった無置換スルホンアミドとアルコールとの縮合反応に成功した.本反応を用い一級アミンの新しい合成法が開発できた. 4.新試薬はプレニルスルホンとアルコールとの脱水縮合にも利用できるので,効率的な炭素-炭素結合形成法が確立できた. 5.これらの反応を組み合わせて,生物活性物質の合成にも成功した.
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