研究概要 |
1.ニフェジピンの粉末と錠剤の光安定性に及ぼす粒子径の影響をHPLC法とFT-IR-RAS法を用いて検討した。白色蛍光ランプ下での錠剤表面のニフェジピンの残存量はFT-IR-RASスペクトルのC=O伸縮振動による1682cm^<-1>の光照射前後の吸光度に基づいて測定した。ニフェジピン粉末のみかけの光分解速度定数は粒子径の減少に伴って増加したが,錠剤の分解速度定数は,粒子径が変化してもほぼ一定の値を示した。 2.トレチノイントコフェリルの光安定性を3種類の光源下で(白色蛍光ランプ,UV-A蛍光ランプ,D65蛍光ランプ)検討した。白色蛍光灯とUV-A蛍光ランプの組み合わせと直射日光と相対的に同じ放射エネルギー分布を有するD65蛍光ランプは,ICHガイドラインのoption 2とoption 1に相当する光源である。 光分解はこれらの光源下ではみかけ上2次反応速度式に従って進行し,D65蛍光ランプ下で得られた分解速度定数は白色蛍光灯下で得られた値より大きくなった。この薬物の光分解は波長依存性を示した。すなわち,480nm以下の可視部の光によって分解し,420nmでもつとも分解が顕著であった。酸化分解の速度は温度の上昇に伴ってわずかに増加した。分解速度定数は20kPa以下の圧力範囲では酸素圧力に比例して増加した。
|