研究課題/領域番号 |
11672155
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
井ノ口 仁一 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (70131810)
|
研究分担者 |
五十嵐 靖之 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (70091965)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | ガンクリオシド / 阻害剤 / 促進剤 / 神経機能 / アポトーシス / VDAC / 2型糖尿病 / インシュリン抵抗性 / ガングリオシド / スルファチド / ラミニン / フィブロネクチン / インテグリン / 造腫瘍能 / 細胞接着 / スフィンゴ糖脂質 / 記憶 / シナプス |
研究概要 |
本研究の目的は、筆者等が開発したグルコシルセラミド生合成D-PDMPやその類縁体を用いて、神経機能や様々な細胞内情報伝達における内因性スフィンゴ糖脂質(GSLs)の役割を解明することである。また、D-PDMPの光学対掌体であるL-PDMPは、ガングリオシド生合成を促進し,神経突起伸展作用やアポトーシス抑制効果があることが最近判明し、あらためて神経機能におけるGSLの意義に注目している。以下、平成13年度の研究実績を具体的に述べる。1)ガングリオシドGM2は、CNTFに依存した運動神経細胞の生存に必須であることを証明した。2)インシュリン抵抗性の原因物質として、ガングリオシドGM3の脂肪組織/細胞での増加が深く関わっていることを証明した。3)L-PDMPは、生細胞を前処理した際、逆にガングリオシド生合成を促進する活性があるという事実に遭遇した。さらに研究を進めた結果、L-PDMPは神経突起伸展作用や中枢神経のシナプス機能促進効果などの神経栄養因子様活性を有することを証明した。L-PDMPは、細胞を破砕して得たゴルジ膜画分に作用させてもガンクリオシド合成酵素活性を促進しないことから、生細胞中でのカウンター分子の存在が予想された。そこで、神経細胞中のL-PDMP結合タンパクを検索を目的として検討を重ねたところ、VDAC(voltage dependent anion channel)と結合することを見い出した。VDACはBcl-2ファミリータンパク質の標的分子であり、Bcl-2ファミリーのうちアポトーシス促進するBaxと複合体を形成し、アポトーシスの引き金であるミトコンドリアからのチトクロームCの細胞質へ放出を司るチャネルを形成することが判明している。そこで、アポトーシス刺激によるチトクロームCの放出への効果を単離ミトコンドリアで検討したところ、L-PDMPはチトクロームCの放出を抑制した。
|