研究課題/領域番号 |
11672170
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
黒川 知則 広島大学, 医学部, 助教授 (00124793)
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研究分担者 |
櫨木 修 広島大学, 医学部, 教授 (80142751)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1999年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 老化 / インスリンシグナル伝達系 / 老化促進モデルマウス(SAMP8) / 血糖値 / エネルギー消費 / グルコース代謝 / ATP産生 / ミトコンドリア / 老化促進モデルマウス / SAMP8 / PI3-キナーゼ / チロシンリン酸化タンパク質 |
研究概要 |
研究代表者である黒川は、老化制御においてインスリンシグナル伝達系が重要な役割を果たしているという観点から、老化促進モデルマウス(SAM)の一系統であるSAMP8とその対照マウスであるSAMR1を研究対象にして個体老化の機構解明を試みてきた。 本研究では、インスリン存在下における脂肪細胞へのグルコース取り込み活性、インスリン投与後の血中グルコースの低下速度、脂肪細胞におけるチロシンリン酸化タンパク質およびインスリンレセプターの発現量等を検討したが、いずれも両系統間に有意な相違は観察されなかった。次に、寿命がカロリー摂取の多寡により調節される点に着目してSAMP8の老化機構をエネルギー代謝の面から解析した。先ず短期絶食後SAMP8の血中グルコースレベルがSAMR1に比して著しく低下することを見出した。この結果を踏まえて空腹時のエネルギー供給源である肝グリコーゲン量を測定したが、両系統間に有意な相違は認められなかった。一方空腹時のグルコース消費量が他の組織に対して相対的に増加する脳から単離細胞を調製し、[6-^<14>C]グルコースから生成される^<14>CO_2を測定しグルコース代謝活性を評価した。その結果、生後10週齢以降のSAMP8において同週齢SAMR1に比して有意に上昇することを見出した。またこのような相違は5週齢では認められなかったことより、グルコース代謝活性の上昇は加齢に関連していることが示唆された。しかし両系統の脳内ATP量はいずれの週齢においてもほぼ同程度に保有されていることが明らかとなった。 これらの結果から生後10週齢以降のSAMP8においてミトコンドリアに機能異常が生じATP産生効率が低下しているため、その補償として血中グルコースの過剰消費の必要性が生じ、ATP含量を維持しているものと推察された。またこのようなグルコース過剰消費は、フリーラジカルの発生原因ともなり、老化の酸化的ストレス説との関連から興味深いものと考えられた。
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