研究課題/領域番号 |
11672175
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 岐阜薬科大学 |
研究代表者 |
原 明 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (00094334)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1999年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | ジヒドロジオール脱水素酵素 / D-キシロース脱水素酵素 / 新規タンパク質ファミリー / 構造機能相関 / 部位特異的変異 / 非ステロイド性抗炎症薬 / 遺伝子構造 / 新規蛋白質ファミリー |
研究概要 |
本研究の目的は哺乳動物において組織特異的に発現する二量体のジヒドロジオール脱水素酵素の構造と機能および臨床的意義を明らかにすることである。本研究で得られた成果を以下に要約する。 1.本酵素はNADP-依存性D-キシロース脱水素酵素と同一蛋白であることを証明した。 2.サル、イヌ、ブタ、ウサギおよびヒトの本酵素cDNAのクローニングによっていくつかの機能未知な微生物の遺伝子産物およびグルコース・フルクトース酸化還元酵素と新規な蛋白質ファミリーを形成することを明らかにした。 3.サルの本酵素の部位特異的変異導入法による解析から、触媒残基はTyr-180であり、補酵素結合に関わる残基のうちLys-97とHis-79は反応の化学過程に、そしてTyr-71とHis-76は補酵素結合領域の構造維持に重要であることが示唆された。基質結合にはAsp-176、Trp-125およびTrp-254が関与することが示唆された。なお、本酵素の結晶化と高次酵素解析を継続して進めている。 4.非ステロイド性抗炎症剤などのいくつかの薬物が本酵素を阻害した。強い阻害剤の共通した基本構造は4-ヒドロキシフェニルケトンであった。ヒト腎臓には本酵素mRNAは検出されないが、腎癌試料5例のうち1例に本酵素mRNAの発現を認めた。血液DNA試料について、機能アミノ酸を含むエクソン4の異常を調べたが、変異は検出されなかった。 5.ゲノム遺伝子のクローニング中に、ゲノムプロジェクトから発表された第19染色体のドラフト配列内に本遺伝子が含まれることが判明した。その5'-非翻訳領域には種々の転写因子結合エレメントが予測された。 6.以上の構造・機能相関の結果はカルボニル代謝に関する酵素学と分子生物学の国際シンポジウム(米国、ニューメキシコ,12年7月)で発表した。
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