研究概要 |
本研究課題に就いて,以下の研究成果を得る事が出来た。 (1)我々がクローニングしたGAPDH cDNAの開始コドンATG近傍の配列をもとに設計したantisense primer依り,ラット染色体DNA Genome Walker kitを用いたPCR法にて塩基配列を異にする2種類のGAPDH遺伝子上流域を含むDNA断片(即ち,#104/#302)の作製に成功した。 (2)上記2種のDNA断片を挿入したルシフェラーゼ・レポーター遺伝子(pGL3)を初代培養小脳granule cellsにtransfectionし,cytosine arabinosideによるアポトーシス誘導後のルシフェラーゼ活性にて同DNAのpromoter機能解析を行った。結果は,#104が#302に比較して約4倍のpromoter機能を発現した。#104に就いて種々サイズの断片群を作製し,詳細なpromoter領域解析並びに各種転写因子結合配列のコンピュータ解析を行い,最終的にpromoter-coreの同定に成功した。 (3)GAPDH側からの神経変性疾患の病因学的検討としては,ハンチントン病トランスジェニック・マウス並びにマシャド・ジョセフ病疾患患者の脳病理組織標本(剖検)にてアポトーシス誘発GAPDHタンパク質の核内過発現並びに核内封入体との共存性を病理変性部位にて証明した。
|