研究課題/領域番号 |
11672182
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
中谷 一泰 昭和大学, 薬学部, 教授 (40053855)
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研究分担者 |
梶本 幸子 (橋本 幸子) 昭和大学, 薬学部, 助手 (90266164)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2000年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | アポトーシス / 癌細胞 / 癌 / 抗癌剤 / アポトーシス誘導剤 / 分子標的 / フラボノイド / 標的 |
研究概要 |
山豆根のメタノール抽出液中に白血病細胞に対する強力なアポトーシス誘導活性を検出したので、活性成分をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離し、活性体の化学構造をNMR、質量分析、元素分析からソフォラノンと決定した。ソフォラノンを用い、種々の癌細胞株に対する増殖抑制活性を測定した結果、白血病細胞のみならず種々の固形癌細胞に対しても20μM以下の濃度で癌細胞の増殖を抑制した。固形癌細胞の中では、特に胃癌MKN7およびAZ-521細胞に強い細胞増殖抑制作用を示し、IC50値はそれぞれ1.2±0.3μM6.8±2.7μMであった。またヘキスト染色法により調べた核の断片化能は、他のフラボノイド化合物であるダイゼイン、ゲニスタイン、ケルセチンよりも顕著に強かった。アポトーシス誘導機構を、白血病U937細胞を用いて解析した結果、MAPキナーゼファミリーのERKとp38活性を阻害し、JNKをわずかに活性化した。MAPキナーゼファミリーの阻害剤はアポトーシス誘導活性に影響を与えなかったので、MAPキナーゼファミリーの関与は低いと示唆された。ソフォラノン処理の初期に活性酸素種の発生、ミトコンドリアのPermeability transition pore(PTP)の開放とチトクロームcの放出、およびカスパーゼ3の活性化が認められた。以上の結果からソフォラノンは、活性酸素種を発生させミトコンドリアに傷害を与える経路と、ミトコンドリアを直接標的としてPTPを開放させる経路を有効に使いアポトーシスを誘導させることがわかった。
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