研究課題/領域番号 |
11672191
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
|
研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
佐藤 光利 東邦大学, 薬学部, 講師 (60231346)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | 受容体 / 平滑筋 / 細胞内情報伝達 / 細胞内Ca^<2+>動態 / Ca^<2+>チャネル / Ca^<2+>ストア / 収縮機構 / 神経伝達 |
研究概要 |
本研究では平滑筋における細胞間Ca^<2+>伝播機構に関する知見、平滑筋の収縮に関与する受容体サブタイプと薬物反応性の違いに関しての知見を得た。 Ca^<2+>蛍光指示薬を負荷した摘出モルモット回腸縦走筋において、自発的な細胞内Ca^<2+>濃度上昇が観察された。平滑筋細胞間のCa^<2+>伝播速度は、0.2-0.8mm/ms-^1で発生頻度は10-30times/minだった。この細胞間Ca^<2+>伝播は、L-タイプCa^<2+>チャネル拮抗薬のニカルジピンで抑制されるがNa^+チャネル拮抗薬のテトロドトキシンでは影響を受けなかった。栄溶液中のK^+(20mM)濃度の増加およびアセチルコリンの添加によってCa^<2+>伝播の発生頻度は増加した。また、Ca^<2+>伝播がはじまる細胞は一定しており、ペースメーカー細胞(カハール細胞)がCa^<2+>伝播の発生頻度を調節している可能性を示唆した。 家兎胸部および腹部大動脈にはα1A-およびα1B-アドレナリン受容体が存在し、腸間膜動脈、腎動脈および腸骨動脈にはα1A-、α1B-に加えてα1D-受容体サブタイプが存在することを収縮実験および生化学的手法により明らかにした。また、血管平滑筋におけるこのα1D-受容体サブタイプを介した収縮反応は主として細胞外液Ca^<2+>により起こり、α1D-サブタイプがCa^<2+>チャネル活性の制御に関与していることを示唆した。さらに、[^3H]プラゾシン結合実験によって得られた知見から動脈血管系の各部位における作用薬に対する反応性の違いはこれらα1-受容体サブタイプの分布密度の違いによることが明らかになった。平滑筋における細胞内Ca^<2+>+ダイナミクスおよび受容体-収縮連関に関わる細胞内情報伝達機構に関する本研究によって平滑筋の収縮調節および薬物の作用機序に関しての有用な知見が得られた。
|