研究課題/領域番号 |
11672202
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
浴 俊彦 理化学研究所, 細胞生理学研究室, 先任研究員 (40192512)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ヘリカーゼファミリー / ゲノム機能解析 / 出芽酵母 / 線虫 / 蛋白質間相互作用 / RNAi / 遺伝子破壊 / 発現プロフィール / 遺伝子機能破壊 / 出芽酵母ゲノム / ヘリカーゼ様蛋白質 / 線虫ゲノム / RNAヘリカーゼ / YDL084W遺伝子 / pre-mRNA splicing / 核酸依存性ATPase |
研究概要 |
本研究は、基本的な核酸ダイナミクスにおいて重要な働きをしているヘリカーゼ様遺伝子群に焦点をあてて、真核生物におけるヘリカーゼファミリーとそれらが果たす機能の全体像を解明することを目指して行った。 1.出芽酵母ゲノムの情報解析に基づいて同定した新規ヘリカーゼ様遺伝子産物の機能解析 2.比較生物学的見地から、RNAiによる機能破壊を利用した線虫ホモローグの機能解析 以上の2点が本研究計画の要点である。その結果、本研究開始時には、個別の蛋白質について断片的な知見に留まっていたヘリカーゼ研究に以下に示すような新たな知見を加えることができた。 1.出芽酵母のゲノム情報解析から同定された20種の新規ヘリカーゼ様ORFについて、遺伝子破壊を行い、6個の必須遺伝子を同定した。 2.43個のヘリカーゼ様ORFの遺伝子発現解析を行い、全ての転写産物を確認した。特異的な培養条件で発現レベルが顕著に上昇する遺伝子を同定するとともに、熱ショック時にヘリカーゼ様遺伝子群の転写レベルが高進することを初めて見出した。 3.新規必須遺伝子YDLO84WがRNA依存性ATPaseをコードすることを初めて明らかにした。 4.10個の新規遺伝子産物について、酵母two-hybrid解析を行い、Yn1218wpやYk1017cpなどと相互作用する酵母蛋白質を同定した。YNL218W遺伝子産物について、遺伝子破壊株の表現型の検討を行った結果、同遺伝子産物が(組換え)修復に関与することを示唆する知見を得た。 5.3個のミトコンドリア機能に関わる新規ヘリカーゼ様遺伝子(YDR332W, YGL064C, YOL095C)を明らかにした。 6.線虫とRNAi法を用いて、新規遺伝子を含むヘリカーゼ様遺伝子ホモローグの網羅的な機能破壊を進め、表現型の解析を行った結果、酵母と線虫とで遺伝子保存性と機能との間に高い相関関係が見いだされた。また多くの線虫のRNAi変異体(40%以上)では増殖や発生に顕著な異常が観察されたことから、ヘリカーゼ様遺伝子群は多細胞生物においても生理的に重要な機能を果たしていることを明らかにした。
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