研究概要 |
我々は,感染症流行の予防や医薬品や食品の製造過程における微生物学的な安全管理を目的として,微生物を迅速かつ簡便に検出するシステムを構築した.まず蛍光顕微鏡下で細菌数を測定する直接計数法や特定細菌を検出するための蛍光抗体法および遺伝子型に基づいて検出する蛍光insituハイブリダイゼーション法の最適化を行った.また生理活性を有する細菌の検出にはCTC-DAPI二重染色法を用いた. 大腸菌O157をモデル微生物をし,CTC染色およびFITC標識した抗体を用いた蛍光抗体法により,生理活性をもつ大腸菌O157を特異的に検出することができた.またCy3標識したオリゴヌクレオチドプロープおよびFITC標識した抗O157抗体を用いることによりO157抗原をもつ大腸菌を特異的に検出することが可能となった.つぎに冷却CCDカメラにより得られる蛍光顕微鏡画像を解析するプログラムの開発を行った.最近の顕微鏡像をコンピュータのディスクにデジタル画像として保存し,スムージング,二次ディファレンシャルフィルタリング,エッジディテクションの一連の処理を行うことで,個々の細菌を自動的に識別することを可能とした.本研究において我々は,蛍光顕微鏡像を解析するためのソフトウエアを開発し,さらに日常的に利用可能とする総合システムとして機能できるようユーザインターフェースを構築した.
|