研究課題/領域番号 |
11672256
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
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研究機関 | 富山医科薬科大学 (2000) 京都大学 (1999) |
研究代表者 |
橋本 征也 富山医科薬科大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (90228429)
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研究分担者 |
合葉 哲也 富山医科薬科大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (00231754)
矢野 育子 京都大学, 大学院・医学研究科, 助手 (50273446)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1999年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | バイオアベイラビリティ / CYP3A4 / トランスポータ / P-糖蛋白質 / 代謝 / 小腸 / タクロリムス |
研究概要 |
我々は最近、チトクロームP450(CYP)3A4で代謝される新規免疫抑制剤タクロリムスの体内動態を検討し、経口投与時の初回通過効果に対して、肝臓のみならず小腸が関与するとの知見を報告した。この知見は、肝臓における薬物代謝能を評価するのみでは、経口投与時のバイオアベイラビリティや相互作用の予測が難しいことを示唆する点で極めて重要である。そこで本研究では、薬物療法および医薬品開発における緊要性も考慮しつつ、生体異物(薬物)障壁としての小腸の機能に注目し、基礎的観点から詳細な解析を行なった。 小腸にはCYP3Aサブファミリーが存在するが、酵素活性は肝臓に比べ一桁以上低いため、薬物代謝に対する寄与は小さいと考えられてきた。一方、小腸には薬物を排出するトランスポータ(P-糖蛋白質など)が存在するが、膜透過性が高い薬物については、消化管吸収が不完全になることでバイオアベイラビリティが低下するとは考え難い。しかし、薬物代謝酵素とトランスポータが協働する場合には、小腸が薬物の初回通過効果に大きく関与する可能性がある。すなわち本研究では、「小腸におけるトランスポータが、薬物の小腸上皮細胞における滞留時間を延長させること、もしくは代謝物の蓄積による代謝阻害を回避させることによって、薬物代謝を顕著に促進させる」との仮説を定量的かつ速度論的に検証した。従って、本研究は薬物動態研究の新しい流れをリードするものであり、また得られた研究成果・情報は創薬や薬物療法の適正化に還元し得るものと期待される。
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