研究課題/領域番号 |
11672272
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
三浦 克之 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00183624)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1999年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | シクロスポリンA / 腎線維化 / 腎毒性 |
研究概要 |
臨床的には慢性のシクロスポリンA腎毒性に対する予防法や治療法が見いだされておらず、この病態を明らかにすることは重要と考えられる。本研究では免疫抑制薬シクロスポリンAによる腎間質線維化の発症機序について検討した。実験的ラット慢性シクロスポリンA腎障害モデルを作成し、経時的に腎機能、腎の組織学的検討を行うと共に種々の線維化促進因子や細胞外基質の遺伝子発現の検討を行った。これらの検討からマグネシウム(Mg)の摂取を増やすことで本薬剤によって生じる低Mg血症を改善することで、シクロスポリンA長期投与によって生じる腎間質の線維化は防止できることが明かとなった。また、この改善効果には線維化促進因子の遺伝子発現を抑制することが関与することが示唆された。またMgは線維化に先行するマクロファージの浸潤を伴う腎間質の炎症も抑制することも明らかに出来た。Mgは同時にマクロファージ走化因子であるMCP-1およびオステオポンチンの発現亢進も抑制したことから、Mg補給による慢性シクロスポリンA腎障害の改善効果にはマクロファージ走化因子の発現抑制に伴う細胞浸潤の抑制が重要であり、Mgにより炎症が抑制された結果、間質の線維化が抑制されたと考えられた。さらに、このような炎症の認められる時期には腎での炎症に関連の深い転写因子NF-kBの活性化が認められること、Mg補給によりこの活性化が抑制されることから、Mgの抗炎症作用にはNF-kBの抑制が重要であることが示唆された。一方、レニン・アンジオテンシン系はこれらの機序に余り関与していないことが明かとなった。
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