研究課題/領域番号 |
11672277
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
倉田 知光 昭和大学, 医学部, 講師 (80231299)
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研究分担者 |
西村 有希 昭和大学, 医学部, 助手 (40276572)
安原 一 昭和大学, 医学部, 教授 (70053999)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1999年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | Human liver / Surgical Samples / Drug metabolism / Cytochrome P-450 / CYP / microsomes / ヒト肝臓 / cytochrome P450 / 手術材料 / 薬物代謝 |
研究概要 |
本研究では11例の肝臓(転移性肝癌4例、肝細胞癌7例)を試料として、代表的なcytochrome P450(CYP)分子種の基質8種を用い、疾患および病巣の状況(癌種、肝硬変の併発、線維化等)と薬物代謝能の関連性を中心に検討した。手術により摘出された肝臓を癌病巣、その周囲(病巣より1cm)および見掛け上正常と判断される部位(癌病巣より1cm以遠)に3分割し、それぞれの部位について検討した。CYP活性の測定は、各種CYPに対する選択的な基質を用いて常法に従って行った。対照として米国NDRIより供給されたヒト肝臓を用いた。なお、本研究の実施に当たっては、提供者に対して説明文書および口頭での説明を行った後、文書による同意を得た後行った。また、本研究は、昭和大学医学部医の倫理委員会の審査、承認を得た後実施した。癌患者での各CYP分子種の平均活性は、見掛上正常と考えられる部分においては転移性、原発性の両者間での著しい差はCYP2D6、2C19以外では認められなかった。また、肝硬変の併発や線維化が認められる患者においては転移性肝癌患者では原発性肝癌患者と比較して、CYP2C19、2E1及び1A2で低値が示されたのに対し、CYP3A4活性は高値が示された。更に、癌細胞等の浸潤との関連性に関して検討した結果、浸潤により、CYP2C9、2D6、2E1および3A4で活性の低下が認められ、逆に2D6や1A2では活性の上昇が認められた。癌患者での平均的な各CYP分子種活性は、米国の正常肝での活性と比較して総じて類似した活性が認められたが、CYP2C19に関しては殆どの肝臓で著明な低下が示された。これらの結果より癌、肝硬変等の肝疾患により、各種CYP分子種が受ける影響に差がある事を示唆しており、特にCYP2C19に関してその影響が顕著に認められる事が示された。
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