研究課題/領域番号 |
11672280
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
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研究機関 | 東京薬科大学 (2000) 東京理科大学 (1999) |
研究代表者 |
林 正弘 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (20012669)
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研究分担者 |
富田 幹雄 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (60207610)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | オリゴペプチド / 好中球 / 活性酸素種 / 過酸化水素 / 細胞間隙経路 / Tight Junction / 吸収促進剤 / P-glycoprotein / Caco-2細胞 |
研究概要 |
バクテリアが産生するFormyl-methionyl-leucyl-phenylalanineは好中球を刺激し、細胞間隙経路を拡大する作用を持つところから、内因性の吸収促進剤となる可能性を有している。そこでH11年度は、好中球が産生する活性酸素種である過酸化水素の作用をラット空腸、回腸、結腸を用いて細胞間隙透過物質FITC-Dextran 4000(FD-4)の透過性および膜抵抗の変化から詳細に検討した。 その結果、過酸化水素は上記のどの部位においても、膜抵抗の低下と共にFD-4の透過性が増大するところから、細部間隙経路すなわちTight Junction(TJ)の拡大が確認された。またこの作用は回腸、空腸に顕著であり、粘膜側よりも漿膜側からの作用の方が大であった。さらに過酸化水素の他に、O_2^-やOH^-なども関与していることが明らかになった。 H12年度は上記の過酸化水素の作用をヒト結腸癌由来の培養細胞Caco-2を用いて検討した。その結果、膜抵抗の低下が見出され、ラット腸管と同様に細胞間隙TJの開口作用が示されたが、その作用は頂側膜側よりも漿膜側からの方が大であり、過酸化水素はラット腸管とCaco-2細胞に対して同様の作用を有することが示された。次に過酸化水素の細胞内経路への作用を、細胞内から管腔側へのくみ出し作用を持つP-glycoprotein(P-gp)の機能変化から検討した。P-gpの基質であるRhodamin 123の透過性を指標として検討したところ、過酸化水素の濃度依存的に粘膜側から漿膜側への透過は増大するが、その逆方向の透過性は低下することが示され、Pgp機能低下作用が見出された。 なお、当初計画された好中球の過酸化水素産生過程の解析及び免疫担当細胞の関与、さらにオリゴペプチドの経口投与製剤としての応用については、今後の検討課題として残された。
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