研究概要 |
視覚障害者が患者となった場合に,服用する薬剤の情報を正確に入手し,活用するには多大な努力が腰とされる.そこで調剤された薬剤の情報が視覚障害患者にも正確に伝達されるようにする目的で点字シール形式による薬袋記載事項の提供システムと点訳版「薬のしおり」の提供システムを,兵庫県薬剤師会との連携で構築した.さらに薬学教育の中でも視覚障害患者への薬剤情報提供教育を充実する目的で薬袋記載事項の点訳による情報提供実習を展開した. 1.薬袋記載事項点字シールと点訳版「薬のしおり」提供システムの構築 94種類の薬袋記載事項が墨字と点字で表記されたシールを作成し,兵庫県薬剤師会を通じて医療機関に提供できるシステムを構築した.医療施設へのアンケートから使用性については良好との評価を得た.さらに220品目の繁用医薬品の「薬のしおり」を点訳し,視覚障害者によるモニター実施後,同じく兵庫県薬剤師会との連携で提供できるシステムを構築した. 2.視覚障害患者のための薬袋記載事項の点訳による情報提供実習の充実 点字実習用テキストを作成し,学部3年次学生の実習において調剤実習の一部として点訳ボランティア連絡会の協力を得て実施し,薬剤情報のバリアフリーへの学生段階からの意識向上に努めた.
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