研究課題/領域番号 |
11672328
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎・地域看護学
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研究機関 | 島根医科大学 |
研究代表者 |
岡崎 美智子 島根医科大学, 医学部, 教授 (60279354)
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研究分担者 |
堀江 良一 島根医科大学, 医学部, 助教授 (60127529)
根ヶ山 俊介 (根ケ山 俊介) 西南女学院大学, 保健福祉学部, 教授 (40279360)
北川 かほる 鳥取大学, 医学部, 講師 (50294319)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1999年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | 看護ケアリング / 在宅看護 / 看護介入技術 / タッチング / 生命と生活のQOL / 家族看護 / 重度心身障害児者 / 音楽療法 / QOL |
研究概要 |
本研究の目的は、看護ケアリングを目的とした看護者の触れる手(タッチング)と音楽(リズム・メロディー・和声)の二方向からの刺激が、重度心身障害児者の心身へどのような影響を与えるかを科学的に検証し、有効とされた方法を在宅重度心身障害児者とその家族へ適用し、看護ケアリングの一方法を確立するための基礎研究である。 研究方法は、経験的に検証した研究方法を応用し文献検討を加え基礎研究の研究仮説を立案した。まず、共同研究者らが実践の過程で経験的に効果的としたケアリングを再検討し、承諾を得て在宅重度心身障害児者と親の会を対象に1年間(月1回)実証的な研究を実施した。その結果、有効とされた看護ケアリングの二方向刺激を、科学的に検証するために研究協力が得られた北九州市と米子市の健康な女子大学生60名を対象として、タッチングを介した音楽刺激とタッチングを介さない音楽刺激を比較検討した。さらに、コントロール群としてタッチングと音楽の二方向刺激のない状態の反応をみた。データ収集は、赤外線放射温度計(TH5108)を用い体表面温度として中枢(右項部)と末梢(右手背部)の皮膚温及び心拍数と呼吸数を15分間連続測定した。実験環境は、在宅条件に類似させ室温19度〜21度、湿度60%〜65%に設定した。二方向刺激のタッチングは看護の専門家が行い、音楽は音楽療法士が選曲し、音楽を用いる時間は看護専門家が決定した。音楽聴取方法は、被験者にビーズクッションを用いて安楽な座位姿勢を保持させ、CDとイヤホーンを用いて周囲の雑音に影響されない方法を選択した。感情面の調査は、実験終了後の感情の変化に着目し、半構成的な聞き取り調査を行った。 研究結果は、タッチングを介した音楽の二方向刺激群では、皮膚温二点の平均曲線はタッチング3分間で0.3度上昇し音楽でさらに0.2度上昇し音楽が終了に近づくにつれ徐々に0.1度下降した。音楽刺激のみ群では、皮膚温二点の平均曲線は0.1度〜0.3度下降した。二方向刺激なし群では、開始後6分間は0.4度上昇したが15分の終了時間までに0.3度下降した。心拍数及び呼吸数は検証できなかった。感情面は、二方向刺激及び音楽刺激共に安定した情緒反応を示した。 今後の課題は、心拍数・呼吸数について検証し看護ケアリング方法の確立を行い一般化する。
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