研究課題/領域番号 |
11672351
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎・地域看護学
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研究機関 | 兵庫県立看護大学 |
研究代表者 |
川口 孝泰 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助教授 (40214613)
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研究分担者 |
鮫島 輝美 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助手 (60326303)
小西 美和子 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助手 (60295756)
鵜山 治 兵庫県立看護大学, 看護学部, 教授 (00185076)
飯田 健夫 立命館大学, 理工学部, 教授 (80268151)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1999年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 移動介助具 / 老人 / 起立 / 循環生理 / 援助方法 / 高齢者 / 起立性低血圧 / 介助起立 / 高令者 / 予期調節 |
研究概要 |
本研究は、高齢者や病人などの身体的な障害を持つ人たちの「自立」に向けて、重要な役割を果たす起立介助機器の人間工学的特性を、循環生理反応から実験的に検討するとともに、今後の介護機器の設計・製品開発に必要な要素について「人間・製品系」の立場から論じることを目的とした。 第1章では介護機器に求められる人間工学的特性について明らかにし、自立支援装置としての起立介助機器の重要性を論じた。その上で本論で明らかにしていく課題を位置づけた。第2章では、起立時の循環生理反応のメカニズムについて解説し、起立時の生体計測に必要な自律神経活動(心拍ゆらぎ解析)と脳循環(脳血流の計測)の計測方法を記した。さらに、これらの計測手法を用いて起立時における自律神経活動と脳循環の変化について実験的検証を行なった。第3章では、起立時の循環生理反応の特徴と、それに伴って引き起こされる起立性低血圧(脳貧血)の発生機序を解説した。その上で、とくに高齢者を被験者として、介助起立(受動起立)時における自律神経活動と脳循環の変化について、若年者との比較実験を行った。この実験により、加齢による自律神経機能の低下が原因と考えられる循環調節への影響が明らかとなった。第4章では、起立時の循環調節に高次中枢神経系が重要な役割を果たしていることを循環生理学的に位置づけた。この仮説を検証するためにウェーブレット変換を用いた血圧・心拍ゆらぎ解析法により分析し、起立時の「見込み制御」の効果を実証した。第5章では、レバー操作で座面が挙上して起立支援を行う介助椅子の評価を行った。その結果、レバー操作による自発的行為が「見込み制御」に効果的に働くことが明らかにされた。第6章では、とくに自律神経機能が低下している高齢者や糖尿病者に焦点をあてて、その病態特性を明らかにするとともに起立性低血圧との関連について述べた。その上で高齢糖尿病者を対象とした起立実験により、高齢糖尿病者に必要な起立介助機器の特性を明らかにした。第7章では、本論文のまとめとして、使用する人間主体の操作設計、使用者の個別性に応える援助システムの確立など、介護機器の開発に求められる援助要素について論じた。
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