研究課題/領域番号 |
11672366
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
臨床看護学
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研究機関 | 福井医科大学 |
研究代表者 |
高山 成子 福井医科大学, 医学部, 講師 (30163322)
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研究分担者 |
丸橋 佐和子 福井医科大学, 医学部, 教授 (30030018)
水谷 信子 兵庫県立看護大学, 看護学部, 教授 (20167662)
小泉 素子 福井医科大学, 医学部, 助手 (80313758)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 中等度。重度痴呆症高齢者 / コミュニケーション / 残された現実認識の力 / 中等度・重度痴呆症高令者 |
研究概要 |
本研究は痴呆症高齢者に残されている現実認識の力を引き出す効果的コミュニケーション方法を明らかにすることを目的とした。 対象者は、65歳以上の痴呆症高齢者女性6名男性4名で、痴呆レベルはMMSE測定不能-21点、N式テスト4-21点の中等度から重度であった。一人に4-9日間、援助者との会話を録音した。分析は、第1に痴呆症高齢者に残された現実認識の力を明らかにして、その力が現れた状況より効果的コミュニケーション方法を抽出した。更に事例検討より効果的なコミュニケーション内容を示した。最後に、彼らが経験している世界を明らかにしてコミュニケーション方法を考えた。 【結果】 1.痴呆症高齢者に残された力は、「大笑い」「繰り返し聞き返す」「気遣い」「口調を変えて主張」「行動をリード」と他者に働きかけて関係をつくる力と、「自己決定」「照れ笑い」「言い訳,いい繕い」の他者に気持ちを表す力で、これを効果的なコミュニケーションの判断指標とした。その結果、「環境や会話を変化」「直接的ケア」「痴呆症高齢者が承認され,かつ影響を及ぼす相互関係」「関心のある話題提供」「自己決定の機会提供」「聞き返す」が効果的なコミュニケーション方法であった。 2.重度事例から、「慣れている動作の援助」「体験を通して会話」「戸外散歩」「選択する機会」「理解のために聞く」が効果的なコミュニケーションであった。 3.彼らは「物忘れの自覚」「他者と上手く生きる努力」「寂しいと感じている」を経験していたことから、見守る援助だけでなく彼らの経験を支持しながら積極的に介入する必要性が示唆された。 以上から、中等度.重度の痴呆症高齢者に対する効果的コミュニケーションは、「慣れている動作の援助」「関心のある話題提供」など彼らの力を支持して安定を維持すると同時に、「環境の変化」「聞き返す」など彼らの力を引き出す積極的介入の両側面の援助が必要であると示された。
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