研究課題/領域番号 |
11672372
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
臨床看護学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
楢木野 裕美 大阪大学, 医学部, 助教授 (90285320)
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研究分担者 |
上野 昌江 大阪府立看護大学, 看護学部, 助教授 (70264827)
鈴木 敦子 大阪大学, 医学部, 教授 (50196789)
河上 智香 大阪大学, 医学部, 助手 (30324784)
中村 敦子 大阪大学, 医学部, 助手 (70314383)
鎌田 佳奈美 大阪大学, 医学部, 助手 (30252703)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 内的ワーキングモデル / 世代間伝達 / 子ども虐待 / 親子関係 / アタッチメント / 親になることに対する態度 / 対児感情 / 親準備性 / 質問紙調査 |
研究概要 |
子ども虐待の世代間伝達に注目し、妊娠各期の妊婦、育児期の母親を対象に、対象者のアタッチメント傾向と親になることに対する態度の関係、社会的要因との関係等について調査し、その結果から育児支援のあり方を検討した。 妊娠各期の妊婦726名・育児期にある母親167名を対象にした質問紙調査では、次の視点で分析した。(1)妊婦のアタッチメントパターン別による親になることに対する態度の比較、(2)妊娠各期毎に、妊婦のアタッチメントパターン別による親になることに対する態度の比較、(3)育児にある母親のアタッチメントパターン別による親であることに対する態度の比較、(4)妊婦または母親のアタッチメントパターン毎の家族・社会的な背景要因および親になることに対する態度である。これらの結果から歪んだ親子関係を克服するための要因を検討した。 調査結果では、妊婦および母親のアタッチメントパターンは、安定・不安定・アンビバレントの3パターンに分けられた。妊娠期では、妊娠初期よりも妊娠後期にかけ、さらに、育児期になると、アタッチメントパターンによる親になることに対する態度に有意な差が見られた。つまり、安定パターンは、親になることに対する受容的態度、不安定・アンビバレントパターンは、否定的な捉え方であった。また、家族・社会的な背景要因では、アタッチメントパターン別による差が大きく見られた。安定パターンの親では、従来言われてきた虐待のリスク要因の有無により、親になることの態度に差があったが、不安定・アンビバレントターンの親では、リスク要因の有無が親になる態度と関係しなかった。つまり、不安定・アンピバレントなアタッチメントパターンの親には、従来のリスク要因のないことが、必ずしも虐待のリスクがないとは言えないのである。そのことから、不安定・アンビバレントなアタッチメントパターンの親には、単なる育児支援ではない、安定基盤を作り直す人生支援となりうる支援が必要である。
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