研究課題/領域番号 |
11672392
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
臨床看護学
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
北川 公子 北海道医療大学, 看護福祉学部, 助教授 (30224950)
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研究分担者 |
中島 紀恵子 北海道医療大学, 看護福祉学部, 教授 (90009613)
竹田 恵子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (40265096)
山田 律子 北海道医療大学, 看護福祉学部, 講師 (70285542)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 痴呆性老人 / 病棟環境 / 看護管理者 / エンパワメント / 物的環境 |
研究概要 |
本研究の目的は、痴呆性老人の自立と安全の維持・向上に貢献する病棟環境のあり方を追求することである。そのため、平成11年度は痴呆性老人の能力を引き出す病棟環境づくりに取り組んでいる老年看護実践家へのインタビュー、平成12年度は上記のような取り組みのない老人病院に入院する中等度から高度レベルの痴呆患者への非参与観察を行った。知見は以下の通りである。 1.質の高い病棟環境を生み出す過程は、患者の安全・安楽や普通の生活の継続にこだわる看護管理者の信念を出発点としていた。管理者のこの信念を組織全体で共有することが質のよい病棟環境の形成の主軸をなし、そのために管理者は、情報を看護部門の内外に公開する、看護スタッフを不条理な責任追及の災いから守り真に責任ある看護ケアを求める、というエンパワメントを発揮していた。このような病棟では、面会時間の制約がない、看護スタッフの退職者が少ない、スタッフが自由に提言し、ケアの改良に取り組む、などの特徴があり、病棟が患者ばかりでなく、家族やスタッフにとっても自立性を高める場となっていた。 2.特別な配慮のない病棟環境において痴呆性老人は十分な力を発揮できず、限られた物的環境や不確かな音刺激を手がかりに小さな生活を構成していた。従って、意味ある物を配置し、その活用プログラムをもつこと、情報処理能力を補う手だてをもつこと、生活空間を広げる介入プログラムをもつことが必要性である。 以上から、痴呆性老人の生活の質を保証する病棟環境とは、物的環境、看護ケア及びその提供者、家族を含めた総合的な取り組みの表明であり、その正否において看護管理者のパワーが重要であるとが示唆された。
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