研究課題/領域番号 |
11680027
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
体育学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
木下 博 大阪大学, 健康体育部, 助教授 (60161535)
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研究分担者 |
川合 悟 帝塚山大学, 人間文化学科, 教授 (90177634)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1999年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 精密把握 / トルク / 指 / 持ち上げ運動 / 運動制御 / 把握力 / 把持運動 / 摩擦係数 / 把握運動 / 重量 / フィードフォクード / フィードバック / 摩擦 / フィードホワード |
研究概要 |
物体を指先で摘み、空間に持ち上げ、さらに安定保持しようとするとき、もしも把握物体の重心線と指の把握圧力中心が一致しなかった場合には物体が把握面で回転運動を起こす。それを阻止して把握物体を安定保持しようとする時、把握面と指先との間にトルクが発生する。本研究はこの『トルク(回転力)』の把握運動制御に及ぼす影響やそれへの対応について小型力量・トルクセンサーと角度・位置センサーを装備した把握器具を用いて調べることを目的とした.研究は4段階に分けて実施された.研究1では物体の安定保持時のトルク・物体重量・把握力関係について調べた.その結果、把握力はトルクにほぼ比例して増大し、さらに物体重量の変化にも同様にも比例して増大した.回転時に指先と把握面との間に働く摩擦は直線的な運動時に発生する摩擦に比べて7倍程度大きいことも明らかとなった.研究2では指先の感覚機能を麻痺させて安定保持する際のトルク・把握量関係について同様の実験を実施した.その結果、トルクに比例した把握力の発揮機能が大きく減退することが明らかとなった.研究3では物体の持ち上げ運動時の動的な側面について調べた.実験では既知のトルクでの場合と予期せぬトルク変化での場合に把握力発揮がどのように影響を受けるのかについて調べた.その結果持ち上げ運動に伴う把握力発揮は前試技で記憶されたトルクが見合った力が準備されていること、予期せぬトルク変化に伴う把握力の誤差修正は、物体が指先で回転運動を起こしてから70ms前後で出現することが明らかとなった.研究4では視覚的に物体の重心位置の変化を提示した場合に、予期せぬトルク変化にどの程度うまく対応できるのかについて調べた.その結果、準備されて発揮される把握力の誤差が視覚情報なしの場合に比べて明らかに減少することが示され、日常の物体操作において視覚情報がかなり利用されていることが示唆された.
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