研究課題/領域番号 |
11680030
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
体育学
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
菊 幸一 奈良女子大学, 文学部, 助教授 (50195195)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 生涯スポーツ / 多様化 / 公共性 / スポーツクラブ |
研究概要 |
本研究の目的は、生涯スポーツ先進国とみられるヨーロッパの定型的なスポーツクラブの実態を文献等によって明らかにし、その成立の歴史に絡んで「公共性」の理念がどのように形成されてきたのかを追究し、それらとの比較からわが国のスポーツクラブの公共性が歴史社会的にどのように担保されてきたのか、その特徴を明らかにし、わが国の生涯スポーツにおける今後の多様化と組織化のあり方について有効な施策を得ることであった。 その結果、次のような内容が明らかとなった。 1.そもそもヨーロッパにおいて、スポーツの公共性を保持する空間(公共圏)とは、市民個々人の教養を背景とした対公権力への自由な私的交流空間によって担保されており、それが「下からの」社会的構成単位をなし、さまざまなフォーマルな社会的諸領域に対する市民的発送とその発展への原点となっていること。 2.この意味で、わが国の総合型地域スポーツクラブの構想は、従来の種目間、世代間の枠を超えた「交流」「交歓」を中心的なコンセプトとしており、新たな公共性構築への可能性を持っていること。 3.しかし、このような動きは、従来のわが国のスポーツ行政組織や制度の延長線上で構想されており、この限界を打破するためには公共性を担保する「私的交流空間」の意味やその歴史的概念及び条件、あるいはわが国の近代スポーツ発展におけ「公共性」概念の歴史社会的な構造的諸問題を明らかにしなければならないこと。 今後の課題としては、体育・スポーツの既存システムにはびこる従来の公共性概念の問題点と新たなシステム構築のために克服すべき具体的課題を提示し、21世紀における新たなシステム・モデルのいくつかを構築することがあげられる。
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