研究概要 |
平成11年12月から13年1月にかけて当初計画よりも多い12校626名から、11,316のデータを収集した。 中学生の日常経験の実態 活動:授業が中心となる「学習活動」、食事などの「生活維持活動」、移動や会話などの「社会生活活動」テレビの視聴に代表される「日常的レジャー活動」などで構成されている。しかし、「部活動」と「塾」が中心となって全体が調整されている。 場所:平日と休日によって異なるが、半分以上は自宅で過ごしており、自室にいるケースが居間にいる場合よりも多い。 同伴者:「家族」、「ひとり」、「友人」がほぼ3分の1ずつであった。父親とだけ居るケースは1.15%ときわめて低かった。 気分:全体的にはやや安定し、ポジティブな傾向にある。 中学生のゆとり 活動とゆとり感:読書、テレビやラジオの視聴、ゲーム中や外出時、うたた寝や食事などに高かった。 場所とゆとり感:浴室と居間、友人宅、そして図書室で高かった。逆に、塾・予備校で低かった。 同伴者とゆとり感:家族といる時が最も高かった。次いで一人でいる時、友人といる時と続き、教師といる時が最も低かった。 ゆとり感の日内・週間変動週末のゆとり感は平日よりも高かった。変動パターンは休日の変化の範囲が平日よりも小さかった。平日は、朝、ゆとり感の低い状態からはじまり、昼食時に高くなる。放課後には下がるが、また高まりだし、その傾向は就寝前まで続いた。日曜日は、朝からゆとりを感じており、夜に高くなった。週5日制と6日制とではゆとり感に有意な差はみとめられなかった。 ゆとり感ゆとり感の強さに応じて、活動に対する考え方が方向性を持って変化している。ゆとり感が強いほど、「自分で選んだ」、「活動そのものがやりたかった」、「もっと続けたい」、「真剣だ」、「簡単だ」と考える傾向が有意に認められた。それは、欧米人の「レジャー」に対する考え方と酷似している。
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