研究概要 |
1.出羽国絵図・陸奥国絵図の所在調査と写真撮影 東北地方の所蔵機関のみならず,現存の可能性がある機関でも調査を行い,出羽国絵図160点,陸奥国絵図164点の所在を確認した。このうち今年度は弘前市立図書館所蔵の津軽領国絵図の撮影を実施したほか,東北歴史博物館,宮城県図書館,国立公文書館所蔵の国絵図の写真版なども収集した。 2.現存国絵図の年代推定とデータベースの作成 国絵図の原本調査を行い,環境・景観復原を行うために不可欠な絵図の作成年代を推定し,出羽・陸奥国絵図の所在データベースを作成した。さらに,本研究の目的には含めていなかったが,撮影した国絵図の画像データベースの作成も進め,一部完成している。 3.環境・景観変化の復原作業 画像処理によって正保・元禄国絵図の図形の歪みを修正し,さらに現況の図形に変形した上で,東北地方の平野部について,明治後期測量の旧5万分の1地形図をベースにした正保または元禄期の環境・景観の復原作業を実施した。その一部を報告書に掲載したが,いずれ何らかの方法で公開していきたい。
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