研究課題/領域番号 |
11680144
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
食生活
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研究機関 | 武庫川女子大学 |
研究代表者 |
大杉 匡弘 武庫川女子大学, 生活環境学部・食物栄養学科, 教授 (70085231)
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研究分担者 |
岡村 徳光 武庫川女子大学, 短期大学部・食生活学科, 助教授 (20211807)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 担子菌 / きのこ / 線溶酵素 / 血栓症予防 / 抗トロンビン活性 / 機能性食品 / アルコール飲料 / チーズ / プロテアーゼ / 微生物 |
研究概要 |
本研究は、担子菌(きのこ)を用いた新しい健康・機能性食品の開発を目的として、血液関連生理活性物質のスクリーニングを行った。担子菌はその菌糸体の液体培養を、2%モルツ培地で、25℃、2-3週間、振とうを行った。液体培養中の線溶活性は人工血栓(フィブリン平板)溶解法で測定し、抗トロンビン活性は血液凝固装置を用いるトロンビン時間(TT)から求めた。 その結果、強力な線溶活性が、栽培種および野生種のタモギタケと野生種Tricholoma sp.に見出された。両種の線溶酵素については、平成12年度において酵素の諸性質をしらべ両菌種ともセリン系プロテアーゼであることを明らかにし、また一方、野生種マスタケに強力な抗トロンビン活性を見出し本種の人工栽培の困難性の観点からブナシメジとの細胞融合の結果、乳酸脱水素酵素を指標にしたアイソザイムパターンで両親株と一致する融合株が得られた。 これら線溶活性または抗トロンビン活性を示す担子菌を用いて食品への利用を試みた。担子菌の持つ酵素について、特にアルコール脱水素酵素、乳酸脱水素酵素、線溶酵素(プロテアーゼ)についてスクリーニングを行った結果、担子菌を用いての食品開発の可能性が見出された。 米、麦、果汁、大豆、牛乳を食品素材としての食品の創製を試みた結果、従来知られているカビや酵母を全く用いないで、担子菌のみを用いるアルコール飲料(清酒、ビールおよびワイン)の製造を開発し、特許出願並びに成果の学術雑誌への報告を行った。製造されたアルコール飲料中には、線溶活性や抗トロンビン活性を示すものが見られ、また、また担子菌の生産する抗ガン物質であるβ-D-グルカンも含まれていることが判明した。更に、アルコール飲料のみならず、チーズ様食品の製造や味噌、納豆、パンの発酵においても担子菌の血栓溶解活性を持った食品の開発を行った。
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