研究分担者 |
宿久 洋 鹿児島大学, 理学部, 助手 (50244223)
佐々木 亘 鹿児島純心女子短期大学, 生活学科, 助教授 (40211940)
岩下 美代子 鹿児島純心女子短期大学, 生活学科, 教授 (20232671)
末永 勝征 鹿児島純心女子短期大学, 生活学科, 講師 (40343735)
竹内 光悦 立教大学, 社会学部, 助手 (60339596)
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研究概要 |
近年の食環境における諸問題の背景には,生活スタイルの多様化に伴う食や生活に対する価値観の変化,個人の性格,さらには物質的豊かさに伴う人間的価値観の変化などがあると考える。 そこで,若年層の孤食抵抗意識,学校における人間教育受容認識,不満・悩み,現在の目標が食・生活・疲労・性格に及ぼす影響について検討した。 その結果,短大生の孤食抵抗意識の有無はほぼ半々で,孤食抵抗群はやや依頼心が強く家族の存在を重んじ,他人を気にし,物事の自己決定傾向は低かったが,食品摂取は望ましい状況にあった。一方,孤食無抵抗群は学校における人間教育を受けていないと認識する傾向がやや高く,孤食に対する抵抗感は共同体の意識や人間教育の意識に深く係わっていることが認められた。 地域別では都市圏に食の目的を「楽しみ」とし,簡便化食品購入条件を「おいしさ」とする傾向が高かった。 また,学校における人間教育受容認識群はプラス思考の性格を有し,望ましい食および生活の意識や行動を構築しており,疲労傾向も若干低かった。 さらに,食と健康に関する科目を専門的に履修している群はダイエット時の健康意識があり、望ましい食の意識や行動を示していた。しかし、若年者においては一般的にダイエット志向が高く,いずれの群もダイエットの刷り込み現象が伺えた。 男女高校生で人間関係などの精神的「不満・悩み」を有する群は,望ましくない人間的価値観,食および生活の意識・行動を構築し,自覚疲労度も若干高かった。一方,人間形成などの精神的「目標」を有する群は望ましい意識・行動を示した。これらのことから食分野が生活全般と複合的に関連しており,心の教育の必要性が認められた。 また,現代若者気質としては受動性・自己顕示性の性格傾向が高く,開放的で目立ちたがり,高い目標を設定し自分でやろうという意思を示す一方で,自信がなく優柔不断で自己決定できず行動につながらないなどの知見を得た。
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