研究分担者 |
八杉 貞雄 東京都立大学, 理学部, 教授 (70011591)
見上 一幸 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (90091777)
片山 舒康 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (20014855)
渡辺 勇一 新潟大学, 理学部, 教授 (30035480)
渡邉 守 三重大学, 教育学部, 教授 (80167171)
楠元 守 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (40269501)
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研究概要 |
各大学からシラバス(講義計画)を収集した.講義要覧のような冊子体として刊行されているもののほか,大学のホームページを利用し,あるいは,インターネット検索も利用した.情報収集に有効とされている後者の方法でも,望む内容のものにヒットする率は低く,恐らくサービス提供側(大学)の対応が不十分な段階のように思われた. これらの大学学士課程の生物学にかかわるシラバスを対象として抽出し,そのスタイルや,科目内容,学生に対する提示・配布の方法などを比較したところ,形式的には大同小異にとどまっている.これは,大学が自己点検・評価をする流れに合わせて作られる傾向の反映のようにも思われ,学生に対するサービスとしては,科目選択のための資料として利用されている実績はあるとしても,提示内容の充実を含めて今後工夫を要する点であろう. 本研究の主題である教育内容の分析という点では,基礎的な教養科目としての「生物学」のシラバスを中心にして,80講義を抽出して分析を行ったところ,予想されたことではあるが,1科目中で扱われるのは比較的狭い領域・分野であるにも関わらず,全体としてみると多様な内容が扱われており,学士課程の「生物学」を規定できるようなエッセンシャル・ミニマムの存在は見えてこなかった.ただし,これらの分析や共同研究を通じて学部によって異なる状況があることも提示した. シラバスをより有効なものとして活用するため,単なる「講義計画」にとどまらせず,学生がいつでもどこでも「講義内容」を知ることができるようなモデルを例として示し,提案した.
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