研究概要 |
「数学嫌い」の解消に向けて,学校外の数学教育の可能性を具体的な活動を行った.学校教育の数学教育を外から補い,数学を学びたいと思うようにさせることの可能性を植え付けることの可能性を追求した.数学を,「楽しい・好き・面白い」と感じることを体験させることが,数学嫌いの解消になることを示すことができた.今までの数学教育では「紙と鉛筆」を用いた計算訓練が中心であり,鍛錬を強いられている.数学的な思考方法を重視し,創造性豊かな数学教育を試みることが必要であることは,言い尽くされたことでもある.具体的に体を動かして数学理解が可能であることと,工作をも含めて数学的な考え方を体得させることを経験させることが必要である.このために,「科学の祭典」等を活用して、数学をすることの楽しさを体得できることを実証した. また、10年前のアメリカでの数学教育の改革は,情報化時代にふさわしいコンピュータの活用を積極的に取り入れることによって、「数学嫌い」解消を試みて大きな成果をあげた.この情報化社会の数学をも考慮した数学教育のあり方を「グラフ電卓」を活用した数学教育の追及をして,数学の訓練からの解放が可能であることをも示すことができた. 現在の学校教育が「数学嫌い」「理工離れ」というマイナスの活動になっていることを,学外の活動から改革することの可能性を示すことができた.生徒は初めから「数学嫌い」「理工離れ」ではない.教育段階が進むにしたがって数学に対する嫌悪感が強まる現在の状況を,学校以外の教育活動が補助的に働くことによって,数学を学びたいと思うようになるような,教育方向の習性をすることは可能である.その協力体制を持った教育の存在は重要である.この意味で,科学博物館の存在を重視したい.その科学博物館が数学の活動をすることを目指す博物館建設を提言したい.
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