研究概要 |
自然災害を中心とする防災教育の学習活動を進め,豊かな内容にするために,とくに身近な大阪の地域性を重視した自然環境と災害とに関する画像や図表などを主としたデータベースを作成した.データベースは,災害のタイプや,教育分野,地域などによって分類・体系化し,ホームページの形式(HTML)で利用しやすいように表示し,CD-ROM(データ量は約430MB)として提供した.また,その内容を紹介し,さらに防災教育の在り方や授業実践例を取り上げた図書を刊行した. データベースの内容は,I気象災害と大気環境,II地形・地質・地震災害に関する地理画像の2部から構成され,それぞれ次の大項目からなる.I:気象災害・気象災害に備えて・大阪の気象・日本の四季の天気,II:地図画像・衛星画像・地震災害・大阪の地質図・山地の崩壊と土砂災害.この教育データベースは,防災・環境教育のための資料として理科や社会などの教科ばかりでなく,「総合的な学習の時間」などにおける地域研究などに役立てられる. このCD-ROMと冊子を現在(平成13年2月)までに約1千部大阪府内の小中高校の教員に配布し普及を図り,さらに,授業に活用した結果についてアンケートを実施中である.結果をみると,このデータベースは地域性という点での評価はあるものの,さらに、生態や水質などの地域のデータの充実や,もっと使いやすい,教科単元ごと,さらには地域の学校ごとのパッケージプログラムの作成などが求められている.今後の継続的な取り組みとして,教育現場でこのデータベースを活用した授業や地域調査を行い,センターでその結果をデータベースにフィードバックし,さらに個々の学校や教員間では直接に経験やデータの交流を可能にする,-このような,センターと地域の個々の学校との情報ネットワークのシステムの現実を図りたい.
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