研究概要 |
本研究は,広域ネットワークシステムを用いた教材の着想や学習支援の諸機能を調査・整理し,それによる学習の効果を明らかにすることを目的とした。研究の結果,以下のような成果を得た。 1.Web教材を調査した。調査では,教師が国内・外の多数の教育用ウェブサイトを巡回して教材を試用し,着想や学習支援の諸機能が比較的優れていると考えられる教材を抽出した。そして,開発した調査表に教師が特徴を記入した。その結果,教材の概要,構成,展開の方略,対象学年,教科,学習形態,着想面の特徴,教育面の特徴,ネットワーク活用上の特徴,内容の展開技法の特徴,マルチメディアの効果,含まれる教授様式等の25項目について,調査した教材の特徴や内容を明らかにした。 2.教材を,教師の立場で評価した。評価は,概括的な内容,教育的な価値提示上の技術的な品質,ネットワークの技術的な品質,信頼性,学習様式,効果等の55項目について,5段階の評定尺度により評価した。その結果,評価が良好なWeb教材の特徴を明らかにした。 3.インターネット教材の機能を類別し,その学習効果や意識を学習者の立場から分析した。教材を学習情報の参照・実行,交換・公開,コミュニケーション,その他の機能に選別・整理した。それらを実験授業に適用し,評価結果から各機能の学習指導の効果を明らかにした。 4.教材の調査結果を念頭に,教材の開発と学習指導システムの開発と改善を行った。その結果,Webページを用いた学習情報検索・参照支援,シミュレーションによる学習支援,リアルタイムでのコミュニケーションによる学習支援,テレビ会議システムによるコミュニケーション支援などの機能を組み込んだ学習指導システムを開発した。 5.それらを小・中学校の学習指導に適用した実験授業を行った。その結果から,インターネット教材の着想や学習指導を支援する諸機能の効果を定量的・定性的に明らかにした。
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