研究概要 |
本研究では、不明瞭な英語の聞き取り学習支援をテーマに、以下に述べるいくつかのシステム構築を試みた。 【英語教育支援システム】本研究の礎となるHypermedia Pronunciation Powerは、マルチメディアを効果的に使った発音練習のためのプログラムである。本プログラムはコンポーネント手法を用い,急速に進歩するマルチメディア技術に容易に対応可能であるばかりでなく、新機能の追加、修正も簡単である。本研究では、このHPP上に不明瞭発音を発生させる仕組みを実装した。 【A-MATE,ICQC】英会話能力検定試験としてTOEIC、TOEFLがある。本プログラムは,これらの問題と同じ形式の問題を教師が簡単に作成できるシステムである。問題形式としては、1)穴埋め問題,2)多技選択,3)並び替え,4)結合,5)真偽判断の5つを実現した.この5つのパターンで上記の英会話能力検定試験と同じ形式の問題を作成できる。 【マルチメディア辞書】マルチメディア辞書は、基本的な英単語を抽出し、英単語の発音と関連する例文をマルチメディアで表現し、かつ対応する日本語についてもマルチメディアで表示するものである。不明瞭な英語の聞取り学習支援システムの辞書部分としてこのソフトを利用することが期待される。 【不明瞭発音データベース】英会話のマルチメディア教材は多数出回っている。しかし、これらのほとんどは初心者向けであり,中級者以上を相手にした教材は非常に少ない。初級者と中級者の最も大きい違いは、聞き取りの際、明瞭な発音以外を要求されることである。本研究では不明瞭発音データベースを構築するために、環境雑音を収録した。また、これをHPPで利用するための仕組みを開発し、実装した。この不明瞭発音データベースがどれほど効果的かを調べるための被験者を使った実験は、これから本格的に行う予定である。
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