研究概要 |
本研究ではWWW環境を用いたCAIシステムと,電子メールを用いたレポート評価支援システムの二つのシステムを開発した。 1.世界中の学習者がWWWブラウザだけで学習でき,教師は容易にコースウェアの作成ができる実用性と汎用性に優れたCAIシステムを開発した。動作確認は次の二つのコースウェアを作成し,実際に授業で使用することで行った。また,得られたデータから問題項目および学習者の特性を分析した。 (1)個別学習型コースウェア:英文学習のコースウェアをニューラルネットワークで制御することにより,理解度の高い学習者は少ないフレームを,理解度の低い学習者は多くのフレームを学習することで学習目標に到達できた。また,学習前後において確認テストに20%以上の差があり,学習効果が確認できた。更に,学習者のデータと共に文字識別コードを付加することで,一つのサーバプログラムで世界各国の学習者の文字コードに対応させたSP表が提示できた(平成11年度)。 (2)繰返し学習型コースウェア:学習者が問題項目を完全に理解していなければ次の問題項目に進めないようなコースウェアを作成し,評価パラメータの一つである学習時間を測定した。また,いくつかの問題項目が組み合わさった学習時間分布を,簡単でかつ実用的にベータ2項分布で推定できる式を示した。この結果,推定式で求めた値は実測値とよく一致することを確認した(平成12年度)。 2.C言語のプログラミング演習を対象として,学習者がプログラム欄と考察欄で構成されたレポートを電子メールによって提出した場合,レポートを自動で評価し,その結果を電子メールで返信するシステムを開発した。この結果,教師は評価作業の実時間を最大35%軽減でき,課題ごとの提出レポートが容易に把握でき,レポートの管理が容易になった(平成13年度)。
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