研究概要 |
(1)構成主義に基づく社会科指導方略の理論的研究 (1)米国および英国で発行されている構成主義的な社会科教育、歴史・地理教育の学習指導論および教育方法論に関する英文文献、認知科学、認知心理学、哲学に関する邦文文献を基にして、構成主義的な社会科学習指導論の認識論、学習段階論、教授-学習過程の原理を批判的に検討し、構成主義的アプローチに基づく社会科学習指導論および歴史の授業構成論としてまとめた。 (2)構成主義の中でも特に社会的構成主義に基づく歴史学習のカリキュラム構成原理と授業構成原理を明らかにした。また認知構成主義と社会的構成主義の統合的タイプの構成主義歴史授業についての研究として,テキストとしての歴史とその読みに基づく歴史授業の構成原理を明らかにした。 (2)構成主義に基づく社会科指導方略の実証的研究 (1)小学校と中学校の歴史的内容の単元および地理的内容の単元を対象にして、構成主義的なアプローチに基づく社会科授業の開発を行った。授業開発に当たっては、構成主義的アプローチに基づく学習指導論の教授-学習原理の妥当性を検討するためのいくつかの仮説を設定した。 (2)(1)で開発した授業を.公立小、中学校の協力を得て実験的に実施し、ビデオ記録基に結果を統計的、計量的手法によって分析して,構成主義的なアプローチに基づく社会科学習指導論の有効性と限界を実証的に明らかにした。 (3)実証研究での授業分析の結果を基にして、学習指導論としての有効性や問題点を再検討し、構成主義的アプローチの社会科学習指導論および評価論としてまとめた。
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