研究課題/領域番号 |
11680263
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教科教育
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
小林 ひろ江 広島大学, 総合科学部, 教授 (50205481)
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研究分担者 |
リナート キャロル (リナート キマロル) 広島市立大学, 国際学部, 教授 (20195390)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | リテラシー / アカデミック・スキル / ライティング / 高等教育 / 国語教育 / レポート / 小論文 / アカデミックリテラシー / 12ライティング / アカデミックスキル |
研究概要 |
本研究の目的は、日本の高等教育におけるアカデミック・ライティングの役割についてその現状と展望を明らかにすることであった。アンケート調査とインタビューの手法を使い、高校生、高校国語教師、大学生、大学院生、大学教師の計1,374名からデータを収集し、統計分析と質的分析を行った。その結果、生徒/学生と教師は、現状ではライティングは重視されていないという見方を共有しているが、教師は、これからはライティングおよびアカデミック・スキル(批評する力、要約する力、論理的思考等)の育成が重要であると考えていることがわかった。以下は主な結果を具体的に述べたものである。 1)高校の国語授業では、「表現能力」より「読解能力」の育成に重点が置かれている。しかし授業外では小論文指導が頻繁に行われ、大学入試の準備としてかなり多くの生徒が個人指導を受けている。 2)国語教師は現在の「表現能力」の指導は不十分であると考え、これからの「国語教育」は「読解能力」と「表現能力」を等しく重視してその指導を行うべきとの意見が多数を占めた。教師からは、「表現能力」の指導を他の教科にも広げ、全員で取り組む体制の構築や、3年間の継続指導を目指すカリキュラムの導入など具体的な提案がなされた。 3)大学の教養教育の授業では、レポートや論文作成指導はほとんど行われていないが、専門授業になるに従って、教師も意識的に指導を行うようになる。しかし学生への指導は、学問分野や教師の考えによって異なる。 4)理系の学生にとって、レポートはある課題についての理解度を示すものであるが、文系の学生にとっては,ある課題について理解を深め、自分なりの見解を述べるものである。また、批評できる力、要約する力や正しい引用の仕方などは大学院生や文系の学生にとって特に重要なアカデミック・スキルである。 5)学生と教師は、文献を正しく引用する作法についてもっと指導が必要であると共に考えている。
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