研究課題/領域番号 |
11680283
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教科教育
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研究機関 | 宇都宮大学 (2000) 関東学院大学 (1999) |
研究代表者 |
江森 英世 宇都宮大学, 教育学部, 助教授 (90267526)
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研究分担者 |
森本 明 福島大学, 教育学部, 助教授 (60289791)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2000年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 数学教育 / 聴覚障害児教育 / 数学的コミュニケーション / 操作的意味 / 数学的概念の形成 / 障害児教育 / 聴覚障害児 / 構造的意味 / コミュニケーション |
研究概要 |
聴覚障害児の談話分析の方法を開発し、その実像に迫ってきた平成9・10年度の共同研究によって、「聴覚障害児は抽象的な概念の伝達を手話や具体物の操作などに依存しているため、それぞれの操作の背後に含意されている構造的意味を習得することができないという困難性に直面している」ことが明らかにされた。この研究成果をもとに、私たちが平成11年度と平成12年度に取り組んできた課題は、「聴覚障害児の数学的意味の構成における操作的意味の固執性の解明と、その固執性の克服をいかに数学の学習場面で支援することができるか」という問題であった。数学的コミュニケーションによってもたらされる意味は、操作的意味と構造的意味の二面性を持っている。しかし、抽象的な構造的意味の伝達は、聴児の場合にもさまざまな困難さが伴うことが指摘されているが、聴児の場合以上に、聴覚障害児が直面する問題の大きさは、聴児が音声刺激と視覚刺激という二重の情報獲得システムを駆使できるのに対し、聴覚障害児は、談話においても、使用できるのは視覚しかないという問題である。音声刺激のもつ抽象度の高さに比べ、視覚刺激は基本的には具体的操作という形でもたらされる。つまり、聴覚障害児は、常に操作的な情報伝達を行っているということが、操作的な意味へ固執する要因となっているのである。私たちは、平成11・12年度の研究によって、聴覚障害児が示す操作的意味への固執という問題に取り組んできたが、その結果、視覚的なメッセージを操作として受け入れるのみではなく、そこに含意されている構造的な意味を見出すためには、メッセージを選択的に知覚する必要があることを究明した。
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